115.夢が覚めただけ ページ12
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「お疲れ様でした！」
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すっかり肌寒くなった気候。私は、今日の仕事を全て終えて会社を出た。
すっかり辺りは暗くて、枯れ葉が冷たくなった夜風と共に荒ぶっている。
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カーディガンだけじゃ寒かったかなぁなんて思いながら、道を進んで横断歩道が赤になったから立ち止まった。
車が、道路を走る。
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「……」
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二宮が会社を去って。忘れなきゃ、と思い続け暫く時が経った。
苦しいと胸が叫んだことも、会社に二宮がいないことにも。切なさを覚えてどうにかなりそうなこともあったけど
全部。今までに起こった夢物語が元の現実に戻っただけだと考えれば、なんだか気が楽だった。
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元々独り身だった自分。
仕事人間だった私が、端正な顔もスタイルも、人が羨むものを何もかも持っている男と恋をするだなんて
今冷静になって考えてみればおかしな話。
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これで、よかった。
ひと夏の恋で、終わってよかった。
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あいにく、二宮に任せたプロジェクトも引き継ぎでサポーターに入ってくれる人も決まった。
その人の元で、私も任せられることになった。
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全部、忘れる。この恋を、諦める。
だからこれでいい。これでいい。これでいい。
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信号が青になる。前を向いて歩き出す。
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その瞬間。
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「………はっ、」
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誰かによって、腕をグイッと引かれた。
え？と咄嗟に振り向くと
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智「……っ、追いついた(笑)」
「…部長」
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そこにはいつかの日と同じように、息を切らせた部長がいた。
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向日葵(プロフ) - しろさん» しろさんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)今日はカプミル史上、一番泣けて一番苦しかった回だと思います。好きだという気持ちだけじゃ恋は出来ないことを思い知らされますよね。六章からもしろさんどうぞ宜しくお願いします(*´ 艸｀) (2017年2月10日 11時) (
レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - すごく切なくて涙が止まりませんでした…。でもでもまだ何かを期待してしまうわたしは浅はかですか？本当に好きなのに残酷すぎる…。恋愛は甘いだけじゃないって分かってますが、主人公ちゃんが心から笑える日を願ってます。 (2017年2月9日 21時) (レス) id: 1fd63b4fae (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - 美彩さん» 美彩さんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)二宮くんと葵さんの二人しか知らない過去が語られることと思います……(*´ 艸｀) (2017年1月14日 7時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
美彩(プロフ) - このお話、楽しく読ませてもらっています。葵さんのお話でつい、マイガールだ！といてもたってもいられなくてコメントしました( ^ω^ )二宮くんは相葉くんにどうやって秘密を話すのか、楽しみです(*^ω^*) (2017年1月13日 0時) (レス) id: b7668cefb9 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - すりおろし梨。さん» すりおろし梨さんコメントありがとうございます(*´ 艸｀)部長が握る秘密。細いところまで全て公開とはいきませんが、大事なキーポイントは公開になります…（笑）お楽しみに！ (2017年1月8日 1時) (レス) id: 090514500c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵
| 作成日時：2017年1月5日 21時
