76.見て見ぬふりは君のため ページ27
誰が誰を好きになったとしたって、それを俺がとやかくいうことはできないってことくらい、誰に言われるまでもなくわかってる。
だから、見て見ぬふりをすることに決めたけど、当事者でもある俺としては、やっぱり悩みの種でもある。
これがどうしようもなく悪いヤツだったら、俺だって全力で潰しにかかるけど、これがどうしようもなくいいヤツだから困るんだ。
なんで、よりによって好きになったのが、アイツなんだ?
アイツが俺のこと、好きなのはわかってるはずなのに。これがこんぴーだったら、矢花、大光と三つ巴になって、こんぴー争奪戦みたいな面白いことになってたのに。
なんて、思ってみたところで、好きになってしまったものは、もうどうしようもない。
アイツが俺から離れられないことは、わかってる。それを知ってるってことも、俺にはわかってる。
だから、絶対にその気持ち、隠し通せ。
俺は見て見ぬふりをしてるから。
例えそれが琳寧でも、俺以外が克樹を傷付けることは許さない。
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嶺「克樹〜」
克「なぁに〜、嶺亜ぁ」
嶺「俺の好きなとこ、一億個言って」
克「一億!?」
嶺「ないの?」
克「えっと、そんなことなぃょ…」
嶺「じゃあ、言って」
克「えっと、えっと」
嶺「ふ〜ん、言えないんだぁ。俺のこと、好き好きって言ってるくせに」
克「言えるよ! 言えるもん!」
嶺「ブー。時間切れ〜」
克「え〜っ。待って、待ってぇ」
嶺「ダメ〜。言えなかった克樹には、ご褒美あげな〜い」
克「そんなぁ、嶺亜ぁ」
大光「…鬼畜」
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作者名:すもも | 作成日時:2020年4月24日 20時