75.背中まで45分 ページ26
作業をしてる矢花の背中は、見惚れるくらいかっこよくって、俺は好きだ。
だけど、いつまでもほったらかしにされて振り向いてもらえないのは、やっぱりさみしいって思うわけで。
せっかくの二人っきりの楽屋なのに、矢花はどう思ってるんだろうって。
いつもならなかよしの楽屋に入り浸ってるから、さみしさも紛らわされるんだけど、今年は一緒の舞台じゃないから、そういうこともできなくて、なんか一人で悶々としてる。
やっぱりどっか行こうかなぁ。
琳寧と克樹のとこは、克樹の卒論の邪魔になるから行きにくいし、そうなると嶺亜とたいこうのとこしかない。
嶺亜、寝てるかもだけど、まぁいいか。
矢花の邪魔にならないように、そうっと。
「こんぴー、どこ行くの?」
「!?」
背中に目でもついてるんだろうか。静かに動いたつもりだったのに。
「ちょっと待ってて」
「ちょっとって?」
「…45分」
なんだよ、その45分。根拠がありそうでなさそうな数字に呆れてしまうけど、矢花のことだから、きっと守ってくれるはず。
だから、俺もおとなしく待ってあげよう。
矢花の背中まで、あと45分。
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矢「えっと、なんで背中?」
今「いいじゃん、別に」
矢「まぁ、こんぴーがそれでいいんなら、いいんだけど」
今「いいんだよ、今日はこうしたい気分なんだから」
矢「そっか…あのさ」
今「ん〜?」
矢「俺がなんかしてる時、背中、くっついてていいから」
今「…ぅん」
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作者名:すもも | 作成日時:2020年4月24日 20時