𓈒𓏸︎︎︎︎𖤐𓂃.◌𓈒𖡼𓂂 ページ10
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『今すぐは…ちょっと厳しいかも……ごめんね。ちょっとだけ時間、貰える…?』
不破くんの優しさに甘えるように恐る恐る尋ねれば、不破くんは「全然ええよ」と言って、私を抱き締めたまま溜め息を吐いて、後ろに倒れた。
あまりに大きな溜め息を吐くものだから、私は嫌われてしまったかと不安になって、不破くんを抱き締めていた手を離す。
そしてゆっくりと視線を上げて不破くんのことを見ると、優しく微笑む彼と目が合った。
「ごめんな。姫が泣くことなんてなかったからびっくりしてもうて…。」
いつもと変わらない様子で「にゃは」と笑う不破くんは、どこか無理しているように見えた。
不破くんがこんな顔をしているのも、いちいち悩むのも全部私のせいだ……。
『ごめんね…。』
「んえ?」
きょとんとした顔で、「私が謝るのは可笑しい」とでも言いたげな目をしている不破くん。
不破くんに迷惑をかけているのは私だし、不破くんを束縛しようとしているのも私だ。
だから、謝るべきなのは私でしょ…??
「んは、謝らんでもいいよ。姫が抱えてる問題は、一緒にゆっくり解決していこーな。」
にかっと眩しいほどのとびきりの笑顔を浮かべて、わしゃわしゃと私の頭をボサボサにする。
私は自分のボサボサになった頭を両手で抑えて、不破くんを見た。
「にゃはは。今日はもう疲れたし寝よか〜!……おいで、姫。」
ちょいちょいとベッドの上で手招きをする不破くん。どこかで見たことのある光景に、私は思わず笑みを零した。
ぱたぱたと駆け寄って不破くんの胸に飛び込めば、「んわっ」と声を上げながらもちゃんと受け止めてくれる。
「あ、そや姫。明日さ、良かったら俺と一緒にホストクラブ
『え…?』
不破くんと一緒にホストクラブに行く…??
頭の中が疑問符で埋め尽くされている中、不破くんはそれを見透かしているかのように説明を始めた。
「明日は姫の為に1部屋貸し切るからさ。俺がどんな仕事しとるんか見とって欲しいんよ。」
『……不破くんの迷惑にならないなら…。』
期待に満ちた瞳でこちらを見てくる不破くんの視線が痛くて、私は答えを考える間もなく了承する。
すると、不破くんは嬉しそうに笑ってごろんとベッドに寝転んだ。
「おやすみ姫。また明日な。」
『うん、おやすみ不破くん。』
そう言いながら目を閉じる不破くん。
私はその仕草に釘付けになる。綺麗な顔だなぁ…。
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Near(プロフ) - 伊藤。さん» 夢主ちゃん独占欲つよつよですよね…!ちゃんとメンヘラ感出ててよかったです😌𓈒𓏸 最後までご愛読ありがとうございました!🙏✨ (5月6日 11時) (レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
伊藤。 - 結ばれて良かった....地味にメンヘラ感ある夢主好き (5月5日 23時) (レス) @page21 id: 900669addd (このIDを非表示/違反報告)
Near(プロフ) - みはさん» ありがとうございます😭短い期間でしたが、ご愛読していただきありがとうございました✨💕 (5月4日 22時) (レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
みは - ハピエンよかった😭😭毎日楽しみにしてました🥲💕 (5月4日 22時) (レス) @page21 id: 407a058ce0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Near | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/
作成日時:2023年4月25日 20時