◌ 。˚✩𓂃𓈒𓂂 ページ17
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「俺ほんま幸せやわぁ……。」
はむっとショートケーキを頬張りながらそう呟く不破くん。私はそんな彼の横顔を眺めて、ケーキを口に運んだ。
不破くんがそう言ってくれると、心が少し軽くなった気がする。
『私も幸せだよ。』
ふわりと微笑んでそう言えば、不破くんははにかむように笑う。そんな笑顔をずっと見ていたい。
これから先もずっと。
𓈒𓏸𓂃.゚✶ 𓈒 𓏸 𓐍
「姫!姫っ!」
『不破くん?どうしたの…?』
不破くんはばたばたと足音を立てて慌てたように私を呼ぶ。クルリと振り返れば、不破くんは両手に何かを乗せていた。
「これ、片方だけ落ちとったんやけど……!」
『え?…えぇっ!?』
不思議に思って不破くんの両手を見てみると、そこには私が必死に探していたピアスの片方が。
もっとちゃんと探せば良かった…そう思っていると、不破くんは不思議そうに「なんで片方だけピアスが落ちてたのか」と尋ねてくる。
私はその片方だけのピアスを受け取って、不破くんに説明する。
不破くんは納得したように数回頷いて、「俺のためにそこまでしてくれんくてもいいのに」と眉を下げて笑った。
『ううん、私がお祝いしたかっただけだからいいの。それより、このピアスどうしよっか…。』
むぅ、とピアスを明かりに透かして悩む私。不破くんはそんな私にもう片方のピアスを持ってくるように伝える。
どうしたのだろうと思いながらも、私は不破くんに言われた通りもう片方のピアスを持って、不破くんに差し出す。
「ありがと。姫ってピアス開いてたっけ?」
『うん、一応開いてるけど…。』
「それがどうしたの」と付け足して言うと、不破くんはにこりと笑みを浮かべて、今度は私に目を瞑っててほしいと伝えた。
疑問符を浮かべながら頷いて、ゆっくりと目を閉じる。
「_____もうええよ。」
意外に早かったな、なんて思いながら目を開くと、不破くんの耳にピアスが輝いていた。
『不破くんピアス付けてくれたんだ…!似合って___ん?』
不破くんの顔を近くで見ようと身体を動かすと、私の耳元でチャラ、と金属の音がした。
不思議に思って耳元を触ってみれば、冷たいなにかに触れた。ピアス、だろうか。
「ほら、お揃い。」
私の耳に付けられていたピアスと、自分の耳元で輝くピアスを交互に指差して笑う不破くん。
時計は深夜2時を差していた。
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Near(プロフ) - 伊藤。さん» 夢主ちゃん独占欲つよつよですよね…!ちゃんとメンヘラ感出ててよかったです😌𓈒𓏸 最後までご愛読ありがとうございました!🙏✨ (5月6日 11時) (レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
伊藤。 - 結ばれて良かった....地味にメンヘラ感ある夢主好き (5月5日 23時) (レス) @page21 id: 900669addd (このIDを非表示/違反報告)
Near(プロフ) - みはさん» ありがとうございます😭短い期間でしたが、ご愛読していただきありがとうございました✨💕 (5月4日 22時) (レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
みは - ハピエンよかった😭😭毎日楽しみにしてました🥲💕 (5月4日 22時) (レス) @page21 id: 407a058ce0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Near | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/
作成日時:2023年4月25日 20時