✧·˚⌖. ꙳ ページ12
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「ごめんな姫…怖かったやろ…。俺がもっとちゃんとしてたら…」
『そんなことないよ。私の方こそごめんね、ちゃんと無理です、って言っとけば良かったよね。』
しゅんっとへこんでいる不破くんに、私はなんだか申し訳なくなって、励ましの意味を込めてそっと不破くんの頭を撫でる。
私は不破くんに頭を撫でられたら落ち着くから、不破くんも私みたいに頭を撫でられたら落ち着くんじゃないかな、そう思って。
「ありがとうな姫ぇ…ほんまに優しいなぁ、好きやわぁ……。」
そう言って座ったまま私の腰周りに抱き着いてくる不破くん。なんだか弟が出来たみたいで、思わず口角が上がってしまう。
よしよしと頭を撫でてみれば、不破くんは嬉しそうに「んは、」と笑い声を上げた。不破くんの髪の毛、ふわふわだなぁ…。
「姫、なんかしたいこととかある?ほら、さっきのお詫びに不破湊がなんでもしたるで〜!」
すっかり普段の調子に戻ったのか、顔を上げてにっこりと笑う不破くん。その笑顔が見れたら十分なんだけどなぁ、と思いながらも一応考える。
したいこと…??ん〜……、
『あ!したいことかどうか分からないけど、シャンパンタワーとか見てみたいなぁ…。』
「シャンパンタワーな、おっけー!座って待っとって!」
不破くんは片手でオッケーの形を作って、ぱたぱたと部屋を出ていこうとする。途中で止まってこちらを見たから、なんだろうと思ってると、
「あ、ここ個室やから誰も来んよ。安心してな〜。」
そう付け足して、次こそ部屋を出る不破くん。些細な気遣いをできる所も人気のひとつなんだろうな…とソファーに座ってしみじみと思う。
あんな良い彼氏、他に絶対いないもん。私も不破くんに見合う女の人になれるように頑張らなくちゃだよねっ。
「んは、そんなこと思っとったん?姫は今のままでええよ。十分かわいいんやから、それ以上かわいくなられたら色んな意味で困る。」
え、不破くん?私、さっきの声に出てた…?ていうかいつの間に帰ってきたの…!?
ぐるぐると考えていると、その思考を遮るかのように不破くんの手が私の頭に伸びてくる。
「シャンパンタワー頼んどいたよ。来るまでもうちょい待ってな。」
ホストとしても、彼氏としても完璧な彼は、一体どこに欠点があるんでしょうか。最早欠点なんかないんじゃないか。
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Near(プロフ) - 伊藤。さん» 夢主ちゃん独占欲つよつよですよね…!ちゃんとメンヘラ感出ててよかったです😌𓈒𓏸 最後までご愛読ありがとうございました!🙏✨ (5月6日 11時) (レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
伊藤。 - 結ばれて良かった....地味にメンヘラ感ある夢主好き (5月5日 23時) (レス) @page21 id: 900669addd (このIDを非表示/違反報告)
Near(プロフ) - みはさん» ありがとうございます😭短い期間でしたが、ご愛読していただきありがとうございました✨💕 (5月4日 22時) (レス) id: 4ac6422a64 (このIDを非表示/違反報告)
みは - ハピエンよかった😭😭毎日楽しみにしてました🥲💕 (5月4日 22時) (レス) @page21 id: 407a058ce0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Near | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/
作成日時:2023年4月25日 20時