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「今回もご苦労だった」


『‥いえ。』


「また、頼むぞ」


『はい』





――――――



どこを歩いているのかわからないほど


暗い道を歩いている。


ふと手元を見ると真っ赤に染まっているのがわかる。

いや、生々しい血の色が体中に粘りつき

あの記憶を離さない。




『また、殺ってしまった…』



そうつぶやきながら、歩き続ける。





正気を取り戻すにつれ

罪悪感と嫌悪感、



すべての感情に支配されてゆく。




私は何をしているのだろう。



こんなことして




あの人のとなりにいる資格なんてないのに




ほんと。





そんなことを考えていたら





『……ん』






いつの間にか




あの場所についていた。




扉を開けるとそこには

見慣れた背中がこちらを向く



「またですか」

「全く、君も懲りないねぇ」



私とわかるとすぐにいつも通りに戻る

その言葉に少しあんしんする。




『いやぁ、道でコケてさ』

「随分と荒れた道だったんだね……で、何人やったんだい?」



そう言ってくる太宰の声からは

いろんな感情が伝わってくる



『28…』

「先程、織田作くんが此方へ向かうと電話で話していましたよ…」

『わかった。』




マスターに言って
着替えの部屋を貸してもらう。


着替えは常にここにある。



『…28……』


誰もいない部屋に小さな声が響く。

太宰は聞いてくるものの

太宰もあんごも深くは聞いてこない。

ましてやすぐに、心配(?)をしてくれる。

織田作も含め、

四人で飲むときが一番好きなんだよね。



『何時ものお願いします〜』

「あまり飲み過ぎないで下さいよ」

『あんごは心配性だね〜』


何故かいつも、太宰とあんごの間には

二人分の席が空いている。

私はランダムでどっちかに座るんだけど。

たぶん、織田作と私のぶんだと思ってる。

今回はあんごの方。


「それにしても君は何時も生臭いね」

『なにそれ、どーゆーこと』

「太宰くん、女性に失礼ですよ」

『私より血生臭い癖に。』



いつものように会話が始まる



『あんごは最近どうなのよ〜』

「どうって、何がですか」

『仕事』

「いつも通りです」

『つまらないね〜』

『太宰は?』

「そろそろ、治と言ってくれないかい?」

『なるほど仕事順調なのね』

「人の話を聞き給え」



そう言いあい乍ら飲んでいると

あの人の気配がした

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 織田作之助 , 文スト   
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(プロフ) - issuさん» 確認してきましたが、設定ではまちがいはありませんでした。 (2018年9月17日 21時) (レス) id: 71aed800ed (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 通りすがりさん» 確認してきましたが、設定ではまちがいはありませんでした。 (2018年9月17日 21時) (レス) id: 71aed800ed (このIDを非表示/違反報告)
通りすがり - 12話あたりから主人公の名前変換ができなくなってます。(^_^;) (2018年8月27日 14時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - 途中から名前変換できなくなったのって私だけですか? (2018年8月27日 12時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年8月12日 22時

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