ただ、救いたいだけなのだ[Undartale]

バターカップにご用心。 ページ10

着任式の夜から一週間が経つ。僕らは変わらずホームの中を遊び回っていた。着任式以来喧嘩を売って来る者も随分減り、心持ち楽に外出出来るようになった。

　ある日、ママが「一緒にバタースコッチシナモンパイを作りましょう」と言ってきた。曰わく、もうすぐパパの誕生日なので、四人でパイを作ってお祝いしたいらしい。僕らも手伝ったと言えばパパもさぞかし喜ぶだろう。僕らは勿論了承した。

　「材料は……、パイ生地と、シナモンと……、バターカップ1？」
　「バターカップって、確かそんな名前のお花があったよね？ここには無いけど……」
　「じゃあ取ってくるか」

　僕はハッとした。バターカップ事件は未来でエコーフラワーを通して聞いた事がある。本当は「バター カップ1」と書いてあったのに、間違えて「バターカップ」という毒の花を入れてしまい、パパが体調をめちゃくちゃ崩してしまうのだ。僕は慌てて止めに入る。

　「バ、バターカップって確か毒がある花だったよ！多分それ、バターカップじゃなくて、バターをカップ一つ分って事じゃない？」
　「え、毒？本当に？」
　「あ、危なかった……」

　僕の必死の制止に、二人もようやく気付いてくれたらしい。二人がバターを用意するのを見て、僕はホッと胸を撫で下ろした。

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