僥倖の完結 ページ16
コト、とグラスがテーブルに置かれた。
「ん、ん…ぅ、A…」
『ちょっと、ショッピ！？ベロンベロンじゃん…！』
家に帰ると鼻をつまむほどのキツい匂いが鼻腔をくすぐり真っ赤な顔のショッピがお出迎えをしてくれた。
抱きしめられると体重を乗せられながら指を絡め取られてすん、と鼻を鳴らされる。
「……おとこ」
『お兄ちゃんとちょっと会っただけだよ』
「…ぐるっぺんさん、…うぅん…なら、しゃーないか…」
ちゅ、ちゅっと顔を埋めた箇所、髪の毛、口に小恥ずかしい音を立てながら吸われるのでやめなさい、と彼の口に手のひらを当てると不満そうにジトーと見つめられた。
それにしても彼がこんなに酔うなんて珍しい。飲むとしてもお酒に強いから滅多に酔わないし、そもそもとしてセーブをする。
どうしたのかは聞くまでもない。帰って真っ先に男といたかの確認を取ってきたためヤキモチの類だろう。
『とりあえずお水飲もっか？』
「A、A、ちゅーして、はやく、」
『いや、その前に』
「ちゅーして」
いやちゅーしてって言う割には問答無用でちゅーしてきているのだが。
ベロが無理矢理侵入すると日本酒の味がしてきて、お酒に弱い私は眉を顰めるも後頭部に手を当てられて離れることが不可能となってしまっていた。
『まぁ…って！ぷはっ、ショッピ！待って！』
「や、」
『赤ちゃんができたんだって！』
………………
「……へ、？」
ホンマになん？とアメジストの瞳に覗き込まれたのでこくん、と頷くとお酒とはまた違う顔の赤みが発生して、ハッとしたかと思えば「み、水！」と正気に戻ったように手を繋いだままキッチンに向かう。
「Aも、うがいした方がええかも…ごめんな、酒飲んどったままキスしてもーた…」
『うん、そのつもり』
後ろから抱きしめられてお腹を撫でられるとはぁ…と近くから息を吐く声が聞こえた。
「家族が、増えるんか」
『うん…ショッピに似るかな、私に似るかな』
「A似の女の子がええな」
『ブレないねぇ…』
後ろを振り向くと心底幸せそうな表情を浮かべたショッピが私と目が合うと目を細めて目尻にキスを落としてきた。
「俺、今めっちゃ幸せ」
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メイヴ - もうとっくに完結してしまっていますが、この作品に出会えて本当に良かったと思います！面白いし、私の大好きなケンカップルのお話で最高でした！ (2022年8月22日 5時) (
レス) @page17 id: 88bf36ee26 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 青年Aさんの寄生人がなくなってしまったから悲しいです。規制があったのでしょうか？ (2021年8月6日 20時) (レス) id: 061ad38b1c (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - めっちゃこの作品好きです。 (2021年8月6日 20時) (レス) id: 061ad38b1c (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 青年Aさん» すみません！お返事遅くなりました○¬ してますしてます！してなくても読んでいる作品もあります！ ぁ、覚えてくれているんですね照れます。自分のコメの実は双子でした！を見ていまだにニヤニヤしてます！ (2021年4月2日 21時) (レス) id: 6ac43c38eb (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます、そう言って頂けて良かったです…！すみれいんさんは確か他の作品でもコメントを下さった方だと記憶しています。…すみれいんさんが覚えていなかったら少々恥ずかしいですが。どうぞどうぞ脳内で妄想を展開してくださいませ！ (2021年2月28日 21時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
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