将来の誘因 ページ15
「…あ、毎日馬鹿みたいな言い争いしてるお姉さんとお兄さんだ」
『ちょっと黙ってくれますかねぇ…』
「A、知り合いなん？」
2人で街を歩いていた時だ。
突然背中をチョンチョンと突かれて振り返ると毎朝同じ電車の同じ車両を乗っている白い制服の彼がひらひらと手を振って「やっぱり」と言った。
私は認識していたがショッピは見覚えがないらしく首を捻るだけ。まぁ当然と言っちゃ当然かもしれない。
「ども、ぴくとって言います」
「あぁ、ショッピっす」
「いやー、毎朝毎朝しょうもなー、って思いながら笑ってます〜」
『喧嘩なら買うよ』
学生と社会人の喧嘩なら明らかに学生が被害者だよ、と論破されたのでキツいキツい握手で仲直り、ということにする。
握力を余分にかけてちょっと痛がってたけどきっと演技だよね！
「年下相手にムキにならん方がええで」
「うん、ホント扱いやすそうで馬鹿そう」
『腹立つわァ〜〜〜…！』
1人からは「大人気ない」みたいな憐れみの視線を投げかけられ、もう1人からは「良いオモチャ発見」みたいな好奇心の視線を投げかけられる。
はぁ、とため息を吐くと白い制服の彼はクスッと笑って「ばいばーい」とまたいつぞやの時のように手を振る。
控えめに振り返して私達は家へと向かうと繋がれた左手にきゅっと力を加えられる。
「なんか意外、俺の知らん所で学生と交流があったんやな」
『あぁ、まぁちょっとね』
はぐらかすつもりは無かったのだが彼はどこか嫌だったのか、不機嫌そうに口をへの字に曲げた。
手を握り返すと幾分かはその表情は緩くなる。
「子どもとかってやっぱり欲しいですか？」
『ん！？…んー、まぁ、欲しいけど』
突然の将来の話に驚きはしたものの素直に自分の気持ちを伝えると「俺もです」と柔らかく微笑まれた。
家に帰ってきて、ご飯食べて、お風呂入って。
…なんて一連の流れは無く、帰ってきたら秒で抱かれたのだが。
「ふふ、まだもう少し2人でいたかったんですけどね」
そんな言葉が耳にずっと残り続けるのだ。
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メイヴ - もうとっくに完結してしまっていますが、この作品に出会えて本当に良かったと思います！面白いし、私の大好きなケンカップルのお話で最高でした！ (2022年8月22日 5時) (
レス) @page17 id: 88bf36ee26 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - 青年Aさんの寄生人がなくなってしまったから悲しいです。規制があったのでしょうか？ (2021年8月6日 20時) (レス) id: 061ad38b1c (このIDを非表示/違反報告)
チョコ - めっちゃこの作品好きです。 (2021年8月6日 20時) (レス) id: 061ad38b1c (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 青年Aさん» すみません！お返事遅くなりました○¬ してますしてます！してなくても読んでいる作品もあります！ ぁ、覚えてくれているんですね照れます。自分のコメの実は双子でした！を見ていまだにニヤニヤしてます！ (2021年4月2日 21時) (レス) id: 6ac43c38eb (このIDを非表示/違反報告)
青年A(プロフ) - すみれいんさん» ありがとうございます、そう言って頂けて良かったです…！すみれいんさんは確か他の作品でもコメントを下さった方だと記憶しています。…すみれいんさんが覚えていなかったら少々恥ずかしいですが。どうぞどうぞ脳内で妄想を展開してくださいませ！ (2021年2月28日 21時) (レス) id: 071d1f2325 (このIDを非表示/違反報告)
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