旧校舎のキュウケツキ (ページ16)

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『あの子、同じクラスの子だよ』

『え、なんであんな地味な子が一緒にいるわけ？』

『来栖って言うんだって』

なんたらかんたら…周りのヒソヒソ声がわたしに突き刺さる

皆さん聞こえてますってば、聞こえるように言ってるんだろうけど…

ああ、だからこのイケメンたちとは関わりたくなかったんです……。

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今朝はもうすぐ夏だよって知らせるように蒸し暑くて。

学校までの道を歩いていると、トントンと背中を突かれた

ラ「先輩！おはようございます！」

声のする方を向くと高い位置に顔があって首がつりそう…

あ、ハーフ顔の脚長キュウケツキ…

「えっと…」

ラ「ラウールです！」

「らうーるくん…おはよう」

朝からにこにこって元気なラウールくんは1年生だったようだ。

ラ「Aちゃんって呼んでもいいですか？」

「う、うん。タメ口でもいいよ」

昨日から思ったんだけどみんなすぐ名前をさらっと呼べちゃうのだな…

ラ「ほんと？やったあ！」

なんだかラウールくんはかわいいおっきいワンコのように見えてきた。

コミュ力高くてキラキラ眩しいや…。

目「おはよ。先輩もおはようございます」

信号待ちをしていると、そこに現れたのは黒髪センター分けキュウケツキ。

またもや長身の彼。

さて、君も首がつりそうだ。

ラ「おはよ〜めめ！さっきそこで会ったの〜」

「おはよう……えっと、めめくん？」

目「ははっ笑めめっていうのはあだ名です。目黒蓮です。」

「あっえっごめんなさい！」

らうーるくんがいるもんだから、めめくんもいるのかと思ったわよ。はずかしい。

目「めめでもいいですよ笑」

この人はなんだか1年生に見えないなあ…

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