旧校舎のキュウケツキ

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その1日は結局何事もなく過ぎた。


昼休みにまた副会長が来てたみたいだけど、わたしはいつもの旧校舎の図書室に入れなくなったのでポツンと教室の端でぼっち飯をせざるを得なかったくらいで、気づかれることもなく。


放課後になって、いつもの旧校舎の図書室にいけなくなったことで真っ直ぐ帰宅になったので、会うこともなく。


…てかいつもの場所取られたのでかいんやけど…。

またどこか探さないとなあ。



そして今日は、渡辺くんのあんな姿を知ったからか、普段より多く目についた。


授業中は基本、寝てる。窓際の席でいつもカーテンを閉めている。あ、やっぱり日光が苦手なのかな。


宮舘くんと仲がいい。あの舘さまと。やはりイケメンはイケメンが友達なのか。


あとは…よく笑う。がははと手を叩いて笑うことが多い気がする。


それで、やっぱりスクールカーストてっぺんの人たちだなって思った。こんな最下位のやつが近づくと考えただけでも恐ろしい。

逆に覚えられていないということがあったので良かった良かった。








そして次の日、体育の授業中やたら爪の長い女子の爪がわたしの腕に当たったので切れて血が出た。


そのままサボろうと保健室に行くと誰もいない。


保健室の先生の机には職員室にいますとメモが置いてあった。


職員室まで呼びに行くのが面倒だなあ。


そう思って勝手に救護セットを漁って消毒液と絆創膏を手に入れる。



消毒液の蓋を開けると傷口に染みて痛そうということが想像できて、少しひよってしまう。



ええいっ我慢っとかけようとした時



「ちょっとまって」




と声が聞こえてきた。







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