乱数くんはオトしたい。

じゅういち。(夢主side) ページ12

独歩の家に着き今は帝統とリビングで座っている。

一二三に「調理するあいだ適当に座ってて。」と言われたのだがこちらはご馳走される側。

何から何まで任せっきりなのは気が引ける。手伝った方がいいだろう。

『寂雷サン、何か手伝いますよ。』

「ありがとう。それは助かるよ。一二三君と魚をさばく方に回ってくれないかな。」

『わかりました。』

帝「唏々が手伝うなら俺も手伝うぜ。」

寂「君は独歩君の……」

一「こっちこっち。」

言われた通り一二三の所へ行こうとすると手招きしている彼と目が合った。

『あたし魚のさばき方知らないんだけど教えてくれる？』

「もち！唏々ちゃん料理できる？」

料理か…。いつも一郎に作ってもらうかコンビニで済ませているから普段全くしない。

・・・できるのか？急に不安になってきたぞ…。

『できないかも。』

「でも大丈夫！俺っちが付いてるから安心！」

いやお前絶対料理出来ないだろ。

少し不安が増した気がしたが、とりあえず包丁を握り

掴んだ腕を上げそのまま真下に振り下ろそうとするとすかさず一二三が止めに入った。

「ちょ、人殺す時みたいな持ち方しないで！？魚さばく時はこう！」

後ろに回りあたしの手の上に自らの手を重ねて説明するもんだから体同士が密着する。

「で、反対の手はこういう風に押さえる。」

『こう？』

「うん。それでそのまま切る。」

あれ、意外と料理上手い！？

手際がいいというか、とてもスムーズに魚が切り身になっていく。

『人って見かけに寄らないんだな。』

「まさか唏々ちゃんがここまで料理出来ないとはねー。」

『失礼な。』

「お互い様っしょ。ま、俺っちは毎朝独歩に朝ご飯作ってるしーこれくらい当たり前的な？」

なるほど。どうりで上手いのか。

そして、一二三から二人が一緒に住んでいる事を知ってもう一度驚いた。

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