＊20 ページ20
os「は、なんでやねん。帰ってええ言うたやろ」
gr「ちょっと話したいことがあってな。時間あるか？」
ht「時間はあるけど……Aは？」
gr「抜きで話したい」
それ本人目の前にして言います？場合が場合だけれども。
os「ふーん。ごめんな、A。先帰っててもらえるか？」
「うん。また明日ね」
ht「また明日」
rb「またなー」
ut「Aちゃんまたね」
「では、失礼しました」
ハートマークでもついているような喋り方に少しぞわっとした。
女の子達はあの人のどこがいいんだろうか。
一人寂しく下駄箱までの道を歩く。
部活はもう随分前に始まっているので、廊下を歩く人はほぼいない。
はずなのだが、前方から制服のままの男子生徒が二人。
お互い、この時間に制服で廊下を歩いているもの同士なんとなく会釈をし、すれ違う。
片方の人のニット帽についてたやつ、可愛かったな……。
そしてふと思いつく。
「今日こそは裏道から帰れるのでは？」
名案である。今なら大先生も役員室。
一人寂しく木々の隙間を歩いて帰ろう。
なんで……？なんで……？？
なぜ私の目の前で女の子が泣いているのだろうか。
物語であればありきたりな展開。現実ではほとんど起きないであろう展開。
なんで私が裏道を通ろうとした時だけ……！
頭を抱える私の前には膝を抱え泣いている女子生徒。ちらっと見えたリボンから察するに同学年である。
「あの、どうかしました……？」
返ってきたのは嗚咽。
先ほどよりは小さくなっている気がする。
あぁもう、なんで私がこんな目に……。
正直なんで泣いているのかは気になる。
だから引き返せないのだ。泣いている女の子を放っておいても後が面倒だろうし。
「あの」
「……はい」
どうやら落ち着いたようだ。鼻をすする音はまだ聞こえるが、嗚咽はなくなった。
「どうしました？」
「なんでも……ないです」
出たなんでもないパターン。
こうなると振られたかいじめられたかの二択だ。私の経験上だが。
経験といってもネット小説である。
……そしてこういう展開の場合は大抵。
女の子が抱えているバックの中が見えた。見えてしまった。
「そのバック……まさか」
私が言った瞬間、はっと気づいたようにバックを固く抱きしめる。
だが、もう遅い。
私のあまり良くはない目はしっかりとその中身を見てしまった。
「すごく言いづらいですが、もしかして、誰かに酷い扱いを受けていたりしませんか……？」
女の子がびくっ、とし、音が消えた。
「あの、」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 226人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
捺(プロフ) - 稚都さん» わあ〜〜！！！！ありがとうございます！！！更新頑張ります！！本当に励みになります！嬉しいなぁ……。好きです(突然) 本当にありがとうございます！楽しんでいただけるよう、どうにかこうにか頑張ります！！ (2019年2月8日 2時) (
レス) id: a7cfb266cf (このIDを非表示/違反報告)
稚都(プロフ) - コメント失礼します、好きです(唐突)(これだけ言いにきた)(帰れ)更新頑張ってください、あの、応援してます、ちっす、はい、(コミュ障) (2019年1月29日 23時) (レス) id: 170c23df6e (このIDを非表示/違反報告)
捺(プロフ) - 或子さん» に”ゃ”ー”ん” ほ、ほんとですか……！！ ありがとうございます、頑張ります……！！！ (2018年9月1日 19時) (レス) id: 0d166b7201 (このIDを非表示/違反報告)
或子 - こんな無名作者を好きだなんて、やっだもう照れるじゃないですかぁ！(きたない)私は成りきって読ませてもらってます…すごくきゅんきゅんしてます…。応援してます！！ (2018年8月29日 20時) (レス) id: 3614360162 (このIDを非表示/違反報告)
捺(プロフ) - 或子さん» コメントありがとうございます……！！ 私はあなた様が好きです(突然) 夢主ちゃんになってみたいです……。こ、これからも楽しみにしてもらえるように頑張ります！本当にありがとうございます！！ (2018年8月29日 13時) (レス) id: 0d166b7201 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：遥 | 作成日時：2018年8月3日 5時
