検索窓
今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:30,636 hit

30.震え ページ31

「どうしよう。震えが止まらない。」

今日は颯くんとカラオケに来ている。
フリータイムだ。

「声も震えてる?ビブラートみたいな…」

楽しく歌えると思っていたのだが、緊張しているようだ。全身震えが止まらない。

「お腹に力入らないし声も出ない。やばい。」

「何曲か歌えば慣れると思うけど…」

「デュエットいい?」

一人で歌っても二人で歌っても、颯くんの邪魔になるかもしれない…と思ったが、

「自分で良ければ。」

やはり颯くんは優しかった。

ゆるく楽しく歌えば慣れると思い、二人とも知っている曲を選んだ。
以前二人で観に行った映画の主題歌だ。

「絶対足引っ張るから…頑張れ。」

ニコッと笑いながら言った。

「いや、ニコッじゃないからね。」

少ししょんぼりしながら、震える手でマイクを持った。









「颯くんっていい声だよね。私好みの声の高さ。」

「それはよかった?」

さっき颯くんが、自分は女性みたいに高い声は出ないし、デュエットは初めてだから新鮮だと言っていた。
逆もまた然りということだ。

「震えが収まってきた気がする。」

「次一人で歌う?」

「一回歌ってみる。」

慣れたかな?試しに歌ってみよう。
という流れだったのに、全体的に音が高い、難しい曲を入れた。

「ちょっと歌詞が穏やかじゃない曲だけど、これ歌えば慣れるでしょう…」

「こっち来て隣で歌う?」

広い部屋に通されたので、今は向かい合って座る形になっている。

「…ものは試しだよね。」

と、言いながら移動して座る。

「まさか本当に来てくれるとは…」

颯くんが少し驚いてそう言った。

「私を何だと思ってるの…」

「クーデレみたいな?たまに来るデレが強い。」

本人の前で言うことだろうか。
恥ずかしい気持ちでいっぱいになりながら歌った。

間奏で頭撫でられた。

31.もふもふに擦り寄る→←29.お菓子を食べる日2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
107人がお気に入り
設定タグ:ほのぼの , 高校生 , 日常   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

- みっちゃんさん» コメントありがとうございます!そのように思っていただけて嬉しいです。不定期更新ですが、よろしくお願いします! (2019年4月7日 2時) (レス) id: f34ac70128 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - 面白くて一気に読んでしまった!この話のカップルは初々しくて良いですね! (2019年4月3日 22時) (レス) id: b4edfa4067 (このIDを非表示/違反報告)
- おれやなぎさん» コメントありがとうございます!頑張ります…!今後もよろしくお願いします (2019年3月29日 20時) (レス) id: 16497c87cc (このIDを非表示/違反報告)
おれやなぎ(プロフ) - 薊さん» 新しくて面白い!更新頑張ってクダサイ (2019年3月25日 20時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
- air@低浮上さん» すみません…レス押し忘れました… (2018年12月3日 23時) (レス) id: 02884e4a0f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年11月19日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。