13.先輩(番外編) ページ14
去年と同じ大会のようなものがあと数ヶ月に迫ったある日のこと
「やっぱり難しいね。」
「うん。」
などと休憩中に話していると、
「やっほー!暑いね!」
先輩が来た。
何故かクーラーボックスを持っている。
「暑い中頑張ってるみんなに差し入れだよ!」
そう言って先輩はクーラーボックスからシューアイスを取り出した。
とても美味しそうだ…。
「いいんですか…!いいんですか…!ありがとうございます…!」
「嬉しそうだね。持ってきてよかったよ。」
「表情筋ゆるゆるだなぁ」
私は甘いものを見るとだらしない顔になるのだろうか。前も似たようなことを言われた気がする。
気をつけよう。
「欲しい人集まれー!」
先輩のそんな声とともにみんなが集まる。
「どうぞ」
一列に並んで順番にもらっていく。
早速袋から半分出して食べる。
美味しい。冷たい。良い。
「ふふふ…」
美味しいものがあれば世界は幸せ…
変なことを考えながら食べていると、すぐに食べ終わってしまった。
「美味しそうに食べるな…」
「美味しかったからね。美味しいものがあれば私は幸せ。」
「そっか。幸せそうでよかったよ。」
言い終わると颯くんは残りを口に入れ、私の頭を撫でた。
まだ慣れない。
「お?お?おお?」
にやにやしながら先輩が近づいてきた。
「知らない間にめちゃくちゃ仲良くなってるね?」
どんどん近づいてくる先輩。
そんな先輩たちに向けて颯くんが一言。
「漸く付き合うことになりました。」
「えっ…」
「えええええええ!?」
「おめでとう!おめでとう!」
「やったーーーー!!!」
一瞬の沈黙の後、耳がキーンとするような先輩の声が響いた。
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薊 - みっちゃんさん» コメントありがとうございます!そのように思っていただけて嬉しいです。不定期更新ですが、よろしくお願いします! (2019年4月7日 2時) (レス) id: f34ac70128 (このIDを非表示/違反報告)
みっちゃん - 面白くて一気に読んでしまった!この話のカップルは初々しくて良いですね! (2019年4月3日 22時) (レス) id: b4edfa4067 (このIDを非表示/違反報告)
薊 - おれやなぎさん» コメントありがとうございます!頑張ります…!今後もよろしくお願いします (2019年3月29日 20時) (レス) id: 16497c87cc (このIDを非表示/違反報告)
おれやなぎ(プロフ) - 薊さん» 新しくて面白い!更新頑張ってクダサイ (2019年3月25日 20時) (レス) id: 31d6ef12c3 (このIDを非表示/違反報告)
薊 - air@低浮上さん» すみません…レス押し忘れました… (2018年12月3日 23時) (レス) id: 02884e4a0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:薊 | 作成日時:2018年11月19日 0時