苺みたいな甘い日常【すとぷり】【BL短編集】

生放送　ゲーム対決　3.【さとりーぬ】 ページ3

りいぬ視点

わ...！始まった。ちょっと緊張する...！

「はいどーも！さとみと〜？」

「りいぬでーす！」

俺は緊張を隠して言った。

「えーとね。今日は...。」

何百人、何千人という人が今この瞬間俺たちを見ているのに、緊張した様子もなく喋れているさとみくん。

さすが俺の彼氏。さいこー。

「んじゃりいぬ、やるぞ！」

「おおー！」

掛け声と共に、不思議と緊張も何処かへ飛んでいった。

ゲームが始まった。

コントローラーのカチャカチャとボタンを押す音、さとみくんの声。

...俺、負けたっぽい。

「えー！？なんで！？俺本番で勝つ気だったのに！」

「いや、実力の差ですなぁ」

「...もう！さとみくん嫌い。」

俺は思ってもないことを口にした。

その時、一瞬、ほんの一瞬だけさとみくんの表情が凍り付いた。

「いやいやー。俺ゲーム得意だから嫉妬されてるなぁ」

でも、そんなのは嘘のようにすぐに会話に戻った。

「はい！今日の放送はここまでかなー」

「また会おうねー」

今日の放送で、何回かさとみくんに勝てたんだ。

今日はさとみくんとずっと一緒に居れて楽しかった。

でも、さとみくんの凍り付いた表情は忘れることが出来なかった。

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