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宏:これから空いてる?
にかと別れて家について携帯を確認したら
そんなメールが届いてた。
送られた時間を見れば5分ほど前だったから
大丈夫だよ、どこで会う?
深呼吸してそう返す。
しばらくして返信を見れば、
宏:今家の前にいる。出てこれる?
「えっ・・はやっ!!!」
慌てて身なりを確認して玄関を開けた。
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宏「大丈夫だった?急で。」
「うん、平気。」
宏「そっか。じゃあちょっと歩かない?」
「うん。」
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少し前を進む宏光の背中を見つめながら、
ゆっくり進む。
あ、髪の毛切ったんだ・・さっき気付かなかったな。
ちゃんと顔見てたつもりだったんだけどな。
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宏「座ろ。」
「うん。」
近くにある公園のブランコ、
少し暗くなってきた時間だからか、子供たちはもういない。
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宏「タマと一緒に帰ってんの?」
「・・・うん、最近はね。」
宏「そっか、今日は連れ去っちゃって悪かったな。」
「ううん・・。」
宏「大学も一緒に行ったんだってな。」
「うん。」
宏「藤ヶ谷と会ったんだろ?」
「うん。」
宏「あの大学行きたいの?」
「・・・うん、考えてる。」
宏「俺と同じとこ、行きたくねぇか・・・。」
「・・・。」
宏「A。」
「・・・?」
宏「俺じゃ、もうだめ?」
「・・・。」
宏「あの日・・、あのオープンキャンパスに行った日。」
「・・・。」
宏「Aが全然俺を見て笑わないから、妙に不安だった。」
「・・・。」
宏「・・・マイのこと、まだ気にしてる・・?」
「・・・分かんない。でも・・・」
宏「・・・?」
「マイさんのことは、宏光と付き合う前から・・・最初から不安だったの。」
なんでかな、日が沈んできたから?
落ち着いて、宏光と話せそうだなって思った。
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作者名:たむあ | 作成日時:2017年5月21日 18時