愛の魔法をもっと...【Ki】

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「じゃあ映画館デートしたいでっす！」









と電話で言ってからもう５日経った。





早い、早すぎる！！！！









早くデートにならないかな〜なんて言ってたはずなのにっ！！









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相変わらず北山くんと電話は続いてて、






まぁ毎回私が掛けてるんだけど、






それでも出てくれる北山くんが優しくて大好き。









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北『なんの映画見るか〜。』







「んー、何か見たいのある？」







北『俺あんまわかんねーかも。』







「私今日調べたよ！！」









メモしておいた映画の名前、全部読み上げた。









北『いっぱいあるなー。Aの見たいのでいいよ。』







「･･･っ、あ、ありがとう。」









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時々、電話中に、苗字じゃなくて名前で呼ばれるのが






すごくドキドキして、言葉を発するのに時間かかっちゃう。









どうして北山くんは、たまに名前で呼んでくれるんだろ。









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吉香「それは絶対！気があるからでしょっ！！」







「えっ！」









北山くんとの映画デートに着ていく服を買いに来た私たち。





早速吉香に相談してみたら





興奮した様子でそんなこと言われる。









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吉香「気がない女の子の名前なんか呼ばないでしょ。」







「そ、そうかなぁ？？」






吉香「それに電話だって順調なんでしょ？もうカップルじゃん。」






「えへっ･･･ちょっとやめてよ〜照れるじゃんっ。」






吉香「顔はだいぶ緩んでますけどね。」








「･･･。でも、なんかこんな順調でいいのかな。」







吉香「なに？順調じゃだめなの？」







「だめなわけ、ないけど･･･。」









だけどやっぱり、どこかでひっかかるマイさんのこと。






マイさんが北山くんのことを過去にしたって、






北山くんは･･･まだ。









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「すごく切ない目してたの。」







吉香「やっぱり好きだったのかねー。逃した魚はでかいって言うじゃない。」







「確かにあれはでかい獲物だよ、可愛いし細いし。」







吉香「でもその人に彼氏がいるんなら大丈夫でしょ。
Aが忘れさせてあげればいいんだから。」







「忘れさせてあげる･･･」









その言葉は結構響いた。

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