愛の魔法をもっと...【Ki】

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学校終わって電車を待っている間、



明日は何号車に乗れば会わないで済むか考える。









彼は去年の夏辺り、



毎日バラバラの車両に乗っていた。



だけどあるときからいつも同じ車両にいるようになって、



だから私も彼を見つけることが簡単になったんだ。







しばらくしてから彼が


電車を降りるときに慌ただしく走っていく姿を見て、


駅のホームの階段に近い


この車両を選んで乗るようになったんだって理解した。






彼はきっと寝坊助さんだ。








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「･･････････はぁ。」








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もう彼に会えなくなるなんて辛い。




いっそ名前くらい聞いておけばよかったのに。








そんな後悔ばっかり頭に浮かんでくる。









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「････････････えっ。」









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びっくりした。






いつも帰りは絶対に会えないのに。








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乗り込んだ電車の車両に、大好きな彼がいる。





イヤホンをして音楽を聞いて、


座れるところがあるのにドアの近くに立っている。









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ドクン････ドクン････







高鳴る心臓。








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だめだ気づかれる前に違う車両に移んなくちゃ！







「････････っ！！」








顔を隠して動こうとする私と、





音楽を聴いている彼の目がバッチリ、重なった。

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