愛の魔法をもっと...【Ki】

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母「風邪でもひいた？･･･一口だけは食べていきなさい。」






「･･･うん。」









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朝。





ご飯食べてないから体は軽いはずなのに





頭がボーッとして眠い。







熱も一応計ったけど、普通。３５．８。低いくらいだよ。









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でも、電車に乗ったら北山くんに会えるんだ。






そう考えたらすぐ元気になれちゃう。







私はやっぱり単純です。









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今日は北山くんと何話していこうかなー･･･






やっぱり北山くんの好みとか聞いておいた方がいいよね？







あの可愛い女の子に近づけなくても






北山くんの好みに近づけたらいいんだもん。









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蒸し暑い駅の中、下向きながらそんなこと考えてたら






いつもの電車。









「････っ。」









フラって、目の前が一瞬だけ真っ暗になったけど





すぐに元通り。









クラクラする･･･なんか冷房効きすぎて寒いし。





･･･やばい、ご飯食べてないからだ。





気持ち悪い････っ。






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北「A･･･っ！？」









え･････？





今、北山君が私の名前、呼んだ･･･？








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北「おい･･･大丈夫かよ？」






「んんーーー。」






北「椅子、座る？」






「うん･･･。」









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北山くんの声、ちょっぴり優しいかも。





いつもの香りが近いところからしてきて、すごく安心する。








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北「なに、ダイエットすか？」






「違うよ。」






北「食ってないんだろ？ダイエットじゃん。」






「･･･だって。」






北「だって？」









あの子、すごく細かったから･･･





なんて言えません。








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北「水野別に太ってねぇし、健康的でいいと思うけどねぇー。」






「･･･。」






北「俺もう降りるけど平気？行ける？」






「ん、大丈夫、ありがとう。」









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ポンって頭してくれて、北山くんが降りていく。







気づかないうちに、私の手には見たことのないタオルが握られてた。

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