愛の魔法をもっと...【Ki】

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夢みたいな夜から一夜明けて朝、



今日も夢みたいな１日が始まる。








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北山くんの出るサッカーの試合。



今までは妄想でしか見ることのできなかった



北山くんの汗かく姿･･･っ！！





ビバ！！！片想いーーーーっ！！！！







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･･･とテンションが上がったままもう１時間経過。




クローゼットから服をいっぱい出して



何着よう、髪どうしよう、なんてやってたら



もう訳わかんなくなっちゃったわけです。









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「やばっもう出なきゃ間に合わない･･っ。」








結局サマーニットにデニムなんて




北山くんの好むワンピースを着ることは出来ず家を出た。






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蒸し暑いコンクリートの上を走ると


いつも私が利用している駅が見えてくる。








でも今日の電車には北山くんは乗っていなくて


何の魅力も感じない。







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北山くんがサッカーの試合に誘ってくれるなんて




大した進歩だよって吉香に言われたし




これはもっと自信持ってアタックしていかなくちゃっ！









なーんて、張り切って浮かれてたのがいけなかったのかもしれない。








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ドサッ




そんなに混雑していない土曜の駅のホームで



誰かに押されるようにして



自分の全体重がそのまま地面に叩きつけられる。









「痛っ･･･！！！！」









ちょっと今のなに！？




そう振り返っても、見えるのは改札へ向かっていく人たちの背中だけ。







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「最悪･･･。」







とっさに付いた手のひらに傷ができちゃって



その擦り傷がズキズキ痛む。







これから北山くんに会えるっていうのに



どんくさい自分に呆れるわ。






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玉「えっ････水野さん！？」





「たまさんっ！！！」




玉「どうしたの！？」








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私服姿のたまさんは、いつもとちょっと雰囲気がちがう。




そっと手を差し伸べてくれて




私を立たせてくれて、目を真ん丸くして私を見つめた。

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