幽霊少女と総統さん[w.r.w.r.d] (ページ17)

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第十六話ページ17

「……やっぱおかしい」
書類仕事をしていると不貞腐れたゾムが俺を見ていた。
「何がだ」
「グルッペンお前や、あの幽霊の話してから様子変やし、なんか隠してるっぽいし……」
「………………気のせいだろ」
「1番おかしいのはお前が大人しく書類しとるとこやな。いつもならめんどくさい言うて逃げ出そうとするのに」
ゾムは変に勘が鋭い。人のことをよく見ている証拠だ。大先生やオスマンなんかも人の嘘を見極めるのが得意だ。
「……」
「図星めう？」
書類仕事をサボりケーキを貪るオスマンが珍しく目を開眼して光のない深緑の瞳を俺に向けた。
「……なんでもいいだろそれよりコネシマと鬱はどうした。飲み物を買いに行ってからかなりたつが」
話をそらそうと数十分前から中々帰ってこない二人の行方を聞く。
「そう言えば遅いっすね」
「ったく、あいつらまさか逃げたんやないやろな？」
一段と目のくまが酷くなっているトントンが舌打ちする。するとバンっと扉が荒々しく開けられ、息を荒くしたコネシマと鬱が立っていた。
「お前ら遅かったな何してた…」
シャオロンの言葉を遮りコネシマが叫んだ。
「お前らはよ来い！！いたんや！！」
「いた？何が？」
「正直自分の目も信じられへんけどな……おったんや、ホンマに」
「だから、何がやねん！」

「幽霊や！！」
コネシマの叫び声で生徒会が一斉に生徒会室を飛び出した。あぁ、不味い事になった。