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いつものバス ページ2

昔はよくバスに乗った。





A「ねぇねぇ、見て見てー」


玉「んー？」







バスから見える景色は通り過ぎる背景で、


ただいつも隣に座って、







A「じゃんっ、」


玉「なにこれ、すご。作ったの？」


A「んーん、梢が作ってくれたの！」


玉「俺らの写真ばっかじゃん」


A「そうだよー」







ただいつも隣で、


俺に向かって楽しそうに話すAとの、


二人だけの時間。







A「だって付き合って1年だからねー」


玉「…………」


A「あ、忘れてたでしょ」


玉「……んなわけないじゃん、」


A「絶対忘れてたね！その顔は！」


玉「……今からもう忘れないし」


A「うわ、認めた！最悪ー！」








毎日のことで、あの頃は特別な気持ちもなかった。





ただ好きな人と一緒にいる。



それが、当たり前のように感じていた。








A「お詫びの品、何買ってもらおっかなぁ」


玉「えー、俺なんか買わされるの？高いのやめてよ」


A「よし、決めた。」


玉「はやっ笑」








友達も、勉強も、仕事も、


なんだかどうでもいいことさえ楽しくて仕方がなくて。








A「チロルチョコ50個だな！」


玉「はぁ？笑 それいくらすんの？笑」









毎日が充実してて、


そんな俺の隣ではいつも、







A「……わかんない笑」







Aが笑ってた。









あの頃がきっと、


俺の人生で一番、楽しかった時間だ。

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