歩む道。 〜With a lot of love〜

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翌朝。



「「すみません！」」


集合時間ギリギリで慌てる私達を
ほかのスタッフさんが笑いながら迎えてくれる。




ス「珍しいじゃん。
二人が、いやAちゃんがぎりぎりなの。」

「ちょっと寝付けなくて、で、寝たと思ったら寝坊しちゃって、」




私がそう言うと、




監「にっしーがぎりぎりなのはいつものことだけどね。」




と付け加える監督さん。


「西島さんの朝がほんと弱いとこ、なんとかしたいんですけど。ご迷惑、おかけしてますよね…。」

ス「もう今からじゃ治らないんじゃない？」

ス「でも年取ると早起きになるっていいますよね。」

「ですよねぇ。年はとってるはずなんですけど。」

西「ちょっと！
俺抜きで勝手なこと言ってないでくれる？」




唇を尖らせてたかがそう言うと
みんながどっと笑う。




監「はいじゃれるのはそこまで。
ドライバーさん待ってるから行くよ。」




はーいとみんなが声をそろえて返事をする。
やっぱり現場って楽しい。
やっぱりNissyチームは最高だ。





でも
今日が終われば臨時マネージャーも終わり。

そう思うと少しの寂しさがこみ上げる。





西「A、なにぼんやりしてんの？行くよ。」
「あ、はい！」



立ち止まってしまっていた私も
少し前を歩いていたたかが振り返る。
その姿はすっかり仕事モードだ。



重ねてきた時間の分
背負うものも大きくなったその背中を私は慌てて追いかけた。





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レコーディングに最終チェック、修正箇所の撮り直し。
並行して映像の確認。


スウェーデンでしかできないことを優先に分刻みでの仕事をこなしていくNissyチームのみんな。




その姿を少し離れた場所で見守っていると




新「かっこいいですよね。ほんと。」




いつの間にか隣にいた新田くんの声に
体がびくっと跳ねた。




新「あ、すみません。驚かせちゃいました？
Aさん、突然声とかかけられるの苦手なんですよね。」

「あ、うん、そうなの…。ごめんね。」


新「や、こっちこそすみません。
今日で仕事、最終日だからAさんにお礼をって思って。」

「お礼だなんて…、私何もしてないよ。」

新「Aさんって、なんかすげぇなって。先の見方とか、周りとの距離感とか、空気の読み方？みたいのが、絶妙で。
マネージャーの仕事ってこういうことって思ったんです。学ばせてもらいました。」



マネージャーの仕事、か…。
それは、私が手放した大切なものだ。

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