歩む道。 〜With a lot of love〜

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こうなった時のたかは
ものすごく甘くて意地悪だ。




私よりもきっと、ずっと
私の体を知り尽くしているからこそ
焦らすのも攻めるのも思い通りなんだと思う。




「…た、か…っ、待って…っ、」

西「待たない。」





まだ明日仕事が残ってるから、




そう思ったのは事実なのに
その大きな手が私に触れると
抵抗する理由がわからなくなる。

耳元で名前を愛おしげに呼ぶ声に
心がきゅっと切なくて嬉しくなってしまう。




きっと本気で嫌だと言えば
それ以上はしないってわかってる。
だからこそ
受け入れる私の中にも
そうしてほしい、そうしたい、って気持ちが
あるんだろう。




西「なに？考え事なんて余裕やん。」

「ちが、う、」

西「ちゃんと俺のことだけ考えてよ。」





その言葉とともに
一瞬ちらりと見えた不安の影。



ごめんね、たか。

不安にさせてるのはわかってる。

過去に引きずられて
私がまた傷つくことを心配しているのは痛いほどわかるから。



だから何度でも
ちゃんと言葉で伝えるよ。

その目を真っ直ぐに見て紡ぐ言葉は
ただひとつ。




「たか、愛してる。」




その首に手をまわしてたかを引き寄せる。




唇が触れ合う少し前。




目を細めて
安心したように笑って
俺も、というたかに自分から唇を寄せた。



さっきの夢も
朱里さんのことも。



全部どこかへ飛んでいってしまう。

求めて求めあって
ただ、お互いが愛おしいと思う気持ちだけ抱えて
快感の波にのみこまれて
私達はいつの間にか眠りに落ちていった。

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