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「これ…。」
か「Aちゃんのよ。」
「う、そ…。」
そこにあったのは
真っ白なウェディングドレスだった。
その場に立ち尽くしていた私の背を
そっと押して部屋に入れてくれたかなさん。
か「今日の花嫁さんは、Aちゃんよ。
さ、支度しましょう？」
「嘘、でしょ？
ね、かな、さん。私、なにも…知らないよ。」
驚きすぎて、
震える体を自分で抱きしめる。
か「大丈夫。」
かなさんは私を
大きなドレッサーの前に座らさせた。
か「本日はおめでとうございます。」
にっこり笑ったかなさんに
ただされるがまま。
今までにしたことのないほど、
綺麗にメイクをしてもらい、髪を結われる。
手際よく生花を私の髪にさしていくかなさん。
それが終わって、真っ白なドレスに着替えた。
胸の下あたりからすとんと落ちる
幾重にも重なるレースが優美なラインを描く。
胸元にちりばれられたビジューが
キラキラと輝いて
繊細なレースがデコルテの下から肘下までを覆う。
肌の露出が抑えられていて
シンプルなデザインはとても私好みだ。
仕上げに、
と首に下げていた２つのリングのチェーンを外し、
ネックレスとイヤリングをつけてもらう。
信じられない気持ちで鏡に映る私を見る。
「私じゃないみたい…。」
鏡越しに微笑むかなさんと目があった。
か「すごく綺麗。
今日、入籍したんでしょ？」
「はい。」
か「隆弘くんがね。
証人の欄に署名してほしいって
拓実に会いに来たのが…半年くらいまえだったかな。」
「そんなに、前？」
か「そう。
でね。私に言ったんだ。
Aをかなさんの手で
花嫁さんにしてやってほしいって。
嬉しかったなぁ。」
「かなさん…。」
かなさんの目から涙が溢れる。
か「ドレスも、アクセサリーも。
髪に使ったお花もそこにあるブーケも全部。
全隆弘くんがAちゃんのために
選んだものなのよ。
世界で一番幸せな花嫁さんにしたいんだって。」
じわりと視界が滲む。
か「あ、だめよ泣いちゃ。メイクが崩れちゃう。」
「だって…。」
か「花嫁さんは笑っていなくちゃ。」
うん、と小さく頷いた私を
かなさんはそっと抱きしめてくれた。
か「Aちゃん。おめでとう。
今よりもっともっと幸せになってね。」
「はい。ありがとう、ございます。」
どうしても溢れてしまう涙。
かなさんも泣きながら
私のメイクを直してくれた。
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リリィ(プロフ) - fukaさん» 出逢えてよかったって言ってもらえてとても嬉しいです。書いてよかったです！ありがとうございますー★ (2020年4月12日 15時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
fuka(プロフ) - 完結お疲れ様でした！ 前作から読ませていただき、何度も涙がこぼれました。切なさや悲しさ、喜びなど、たくさん感動したりして、すごく素敵なストーリーだったなと思います！ 終わってしまって寂しいですが、この物語に出逢えてよかったです！ (2020年4月5日 22時) (レス) id: 0f2ddad342 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Yuiさん» ありがとうございます☆頑張ります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - ゆにしぃさん» コメントありがとうございます！また読見に来ていただけるようにますますがんばります！ (2020年3月31日 10時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにしぃ - 長編お疲れ様でした！このstoryは本当に大好きです！！（side story楽しみにしてます！） (2020年3月29日 12時) (レス) id: 2657bef5db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年12月1日 8時
