歩む道。7

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始めようか、it's showtime
ついてこれるの？


今日がラストだぜー


Nissyの声とお客さんの声が、
響く横浜アリーナ。



ホントに今日がこのツアー最後の日。



ねぇ今、どんな気持ち？


楽しいし、嬉しいし。
寂しいし、たぶん、怖い。



始まってしまえば後戻りできない。



だけど、
ずっとずっと、ずっと。
このステージを夢見て歩んできたあなただから、
できるものがある。
伝えることがある。
魅せる姿がある。


それが、
ここにいるすべての人に伝わるように、
私達スタッフがいる。



一瞬一秒瞬きをする間も惜しいくらい
この目に焼き付ける。
キラキラ光る私の大好きな人を。


そしてあの歌の少し前に
関係者席の後ろの方に
キャップを目深に被りマスクをした千晃さんが
座った。



私は千晃さんの隣に座る。



「千晃さん。来てくれてありがとうございます。」


千「私の方こそありがとう。
Aちゃんから連絡もらって嬉しかったよ。」


「あ、このあとからですね。」


わたしがそういった後
たかが、話しだした。



西「この場で自分が彼女のプライベートについて
あれこれ言うのは、エンターテイメントじゃないと思う。」


本当に正直な人で、
プロなんだなと思う言葉が
たくさん紡がれる。


西「今の自分の気持ちと重なる歌が
AAAの曲にありました。



聞いてください。」


ピアノのイントロが始まる。


一つ一つの歌詞に
想いを込めて
たかは歌っている。





千晃さんの決断はメンバーにとって
大きな出来事だ。

だけど、
長い時間をかけて築いてきた絆が
あるからこそ。
少しの解せない気持ちも
受け入れられるのかもしれない。


メンバーであり、仲間であり、友人であり。
家族より長い時間を過ごしてきたからこその
たかの気持ちが、
どうか
千晃さんにもファンのみんなにも
他のメンバーにも届いてほしい。


隣を見れば
千晃さんは声も出さずに泣いていた。
流れる涙を拭うこともなく。
ただまっすぐに、
歌うたかを見つめながら
涙を流していた。



その涙を見て
ちゃんと届いてるって安心した。

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