316 side Nissy ページ16
珍しくAからぎゅっと抱きついてきて、
俺の髪の間に指を通す。
西「A?」
その呼びかけには答えずに
Aから唇を合わせてくる。
「好き。」
そんなことをしておいて、
照れたように俺の胸に顔を埋める。
西「俺も好きだよ。」
そう答えた俺に、
Aが俺の服をきゅっと掴みながら言う。
「あのね…私。
話したいことがあるの。
聞いて、くれる?」
その声のトーンが
いつもと少し違う気がした。
西「聞くよ。
でも、もう少しだけ寝よ。
Aも疲れてるやろ?」
「うん。たかも…休んでね。」
俺を気遣うAの頭をそっと撫でてから
小さな体を優しく包み込むと
すぐに聞こえる穏やかな寝息。
話したいこと…って、
なんだろう。
なんだか少し怖い。
別れ話…じゃないよな。
このぬくもりを、
手放したくない。
そう思いながら目を閉じて…
そして俺さあっという間に
眠りに引き込まれていった。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
頬に温かくて柔らかい感触。
それが離れるとすぐ、
唇に同じ感触。
ぼんやりした頭のままうっすら目を開くと、
Aの顔が至近距離にあった。
「…っ。」
あっという間に真っ赤になって、
離れようとする
Aの首の後ろに手を回して引き寄せる。
唇が触れるか触れないかの距離で
西「もっと。」
と言えば、
かすかに頷いたAが俺にキスをする。
遠慮がちに忍び込んでくる舌に
自分のそれを絡ませる。
もっと欲しくて
気づけばAの上に跨る俺。
耳から首、鎖骨、肩、腕、指先。
そっと辿っていくとピクリと震えるAの体。
乱れる呼吸と上がっていく体温に
お互いがどんどん興奮していくのがわかる。
深いキスを交した後、
「抱いてもいい?」
Aの潤んだ目を見つめて言う。
あの夜以来、彼女に触れていない。
体の傷は消えつつあるけど、
この先に進んでいいのか戸惑う臆病な俺。
「たかになら、
何されても平気。
怖くないよ。」
そう言って微笑むA。
「でも…たかは?
体、大丈夫じゃないでしょ。」
このまま、Aと抱き合いたいのに
腰がたぶん言うことを聞かない。
無理にでもしたいとこだけど、
こんな時でも次のスケジュールが頭の片隅にある。
西「バレてる…。」
それくらい、気づきます、
って言うAの体の隣にゴロンと寝転がる。
「ね、私がしてもいい?」
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リリィ(プロフ) - ふみさん» 今更お返事ごめんなさい!いつもありがとうございます!続き頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 今更感ありありのお返事でごめんなさい(泣)読んでくださりありがとうございます!お詫びに?更新頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - めっちゃいいとこ!!早めに続編頼みます! (2019年11月25日 23時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 本当に、ほんっとうに主人公さんの可愛さにはかなわない。というかリリィさんにはかなわない!読むのが楽しみで頑張れます。いつもありがとうです〜 (2019年11月25日 20時) (レス) id: d7256c5ba1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» 帰ってきちゃったー☆予想通り、ですかね笑 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2019年7月11日 20時