315 side Nissy ページ15
もう何回目だろう。
目を覚ますとこうして寄り添うように
Aが眠っていること。
ひとりが怖い寂しがりやなA。
弱いところをなかなか見せないけど、
一緒にいるとわかる。
言葉や行動の端々に
見え隠れする本当の姿が
愛おしいんだ。
ソファで眠ってしまった俺のそばで
床に座り込みソファに体を預ける
Aのあどけない寝顔。
西「…本調子じゃないくせに。」
Aを起こさないようにそっと体をずらして
ソファから立ち上がったつもりが、
「た、か?」
うっすら目を開いたAが、俺を呼ぶ。
西「ごめん、起こしちゃったな?」
「ううん。もう朝…?」
西「まだ夜中。
あ、おかえり。A。」
Aの隣に座りこんだ俺の肩に
おでこをくっつけて
「ただいま。」
と返事をしたA。
そのままぎゅっと抱きついてくるのが
かわいくて。
俺もAの肩に手を回してぐっと引き寄せる。
限りなくゼロに近い二人の距離。
西「大丈夫?無理したやろ、今日。
疲れてない?」
そう問えば、
「それは私のセリフです。体、大丈夫ですか?」
西「んー、ちょっと腰気になるけど…。平気。
…じゃなくて!
急にバクステいるし、仕事してるし。
終わったあと話す間も無いし。
体調は?」
「平気です。
あのね、拓実さんのお店でね、
スープ、いただいたんです。
かなさんが焼いたパンも。
私、ちゃんと美味しく食べられました。
昔たかにもよく作ったんだ、
って拓実さんが言ってた。」
穏やかに話すA。
西「あー!あれかなぁ。
体調悪いときとか、作ってもらったやつ。
野菜がたくさん入ってて優しい味の!」
「そう!優しい味!」
顔を見合わせて微笑み合う。
「それでね…。
かなさんにいろんな話、
聞いてもらったよ。」
そう言って、視線を少し下げて
腕にまだ残る痣に触れたA。
西「そっか。」
Aが話そうと思って
誰かに話して。
それで楽になれるならそれでいい。
Aの頭を引き寄せて抱きしめる。
西「もう少し寝よっか。」
「…。
…うん。」
少し間が開いたのが気にはなったけど、
手をつなぎ一瞬にベッドに入った。
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リリィ(プロフ) - ふみさん» 今更お返事ごめんなさい!いつもありがとうございます!続き頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - AYさん» 今更感ありありのお返事でごめんなさい(泣)読んでくださりありがとうございます!お詫びに?更新頑張ります! (2020年1月5日 20時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - めっちゃいいとこ!!早めに続編頼みます! (2019年11月25日 23時) (レス) id: 017350f460 (このIDを非表示/違反報告)
AY(プロフ) - 本当に、ほんっとうに主人公さんの可愛さにはかなわない。というかリリィさんにはかなわない!読むのが楽しみで頑張れます。いつもありがとうです〜 (2019年11月25日 20時) (レス) id: d7256c5ba1 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» 帰ってきちゃったー☆予想通り、ですかね笑 (2019年11月25日 17時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2019年7月11日 20時