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「き…らい…。」
また俯いて、
たかの視線から逃げる私。
喉が固まったみたいになって、
うまく声がでない。
西「顔見て言えよ。」
たかは私の頬を両手で包んで、
上を向かせる。
西「ほら。早く。」
じっとわたしを見据えるその目。
西｢私は
たかが
嫌い
ほら言ってみ？」
一つ一つの単語を、
語りかけるみたいに紡ぐその唇。
逃げ出したい、
ここから。
だけど、
そんなの許されない。
「わ、たしは…
たかが、
たかが…。
き、らい。」
西「ちゃんと、もう一回。」
追い詰めるような目は、
時折ゆれる。
「わ、私は、
たか…が…。」
もう一言だけ、言えたらいいのに。
うまく息ができなくて声がでない。
そのかわりに、
涙がぽろぽろこぼれ出て止まらない。
好きだよ。
本当はたかが好き。
こんなプロポーズされて、
嬉しくないわけない。
嫌いだなんて言いたくない。
嫌だ。
だけど。
感情がどこに向いてるのか、
わからなくなってしまう。
波の音が遠のいていく。
暗くなり始めた周りの景色が
白く霞む。
「……っ。」
西「ごめん、いじめすぎた。」
そう言ったたかに
ふわっと抱きしめられる。
それだけで、
強ばっていた体の力が抜ける。
西「俺のこと、好きだよな？」
そう聞かれて、
無意識に頷く。
西「嫌いじゃないよな？」
またひとつ、
うん、と頷く。
西「じゃあ、俺から離れないでよ。
頼むから。」
ぎゅっと抱きしめる腕に
力が込められる。
西「頼むから。
勝手にいなくなろうとするな。」
その絞り出すような苦しそうな声でやっと、
馬鹿な私は気づくんだ。
自分がしようとしてたことが
どれだけたかを苦しめることになるのか。
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由希(プロフ) - 読みました。6も楽しみにしてます。読んでて涙が出てきます、切ないです。早く隆弘くんに助けに来てもらいたいです? (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - 続きが気になって…お楽しみをありがとうございます (2019年4月10日 22時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - 由希さん» ありがとうございます！続きは次枠でお楽しみくださいませ☆ (2019年4月10日 22時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
由希(プロフ) - 早速読みました、続き気になります、更新楽しみにしてます (2019年4月9日 23時) (レス) id: 8944fa1049 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» いつもありがとうございます！コメントいただけるとすごく嬉しくて励みになります！隆ヒーロー…隆弘っ！早く助けに来てね★ (2019年4月8日 21時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年2月25日 8時
