検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:267,941 hit

159 ページ9

あっという間にやってきた
ドーム公演初日。



今までの会場とは
桁違いの広さのドームを埋め尽くす
ファンのみんな。


物理的な距離は遠くなったはずなのに、
それを感じさせないステージ構成。
ムービングステージや、フロートで
あちこちに移動する。


正真正銘の初ドーム公演内容は
大成功だった。



そして2日目の公演前に、
その出来事は起きた。



「え?」



真っ青な顔のさくらさんの言葉に
私の頭は真っ白になった。


「衣装が、無くなった…?」



さ「どうしよう。もう、時間ないのに。」


泣きそうな顔のさくらさん。



人の出入りが少ないはずの女子メンバーの楽屋。



曲目順に掛けてあった
実彩子さんと千晃さんのオープニング衣装が
忽然と消えてしまったという。



「予備はどうなってるんですか?」


さ「予備も。
本番用も両方、無いの。」


同じものを2着作っていて、
何かあった時ように違う場所に保管してるのに、
それも無くなってるなんて、
おかしい。




「誰かが、わざと…?」



さ「なんの為に?」



公演を妨害したいってこと?
なんで?
頭の中に疑問はたくさん浮かぶけど
とにかく、


「探しましょう。」



不安そうな実彩子さんたち。
苛立ちと焦りを感じてる男子メンバー。


スタッフ総出で探してるのに見つからない。



気づけば開演時間目前。




もう、衣装は諦めて、
オープニングの次の衣装から始めよう。

でも、映像との兼ね合いが…

そんなことより、俺達がステージに立つことが重要だろ?





いろんな意見が出る中で
決め手がないまま時間が過ぎていく。



その時。


私のスマホが鳴った。



「…っ!」



そこに表示されてた名前を見て、
身体にゾワッと寒気が走った。



「…はい、速水です。」




・「久しぶり。

あ、でも。
私はよく見てるけどね。



Aちゃんのこと。」



ふふっと聞きなれた、
声で笑うその人。



「朱里さん…だったんですね。


やっぱり。」




朱里さん。



私を階段から落とした人。
私の先輩だった人。


そして、
私を付け回して、突き飛ばして、
嫌な視線で見てた人。





朱里「気づいてたんだ?」




「あか…りさん。


…どうして…?」



うまく声がでない。
電話を持つ手が震える。



朱里「どうして、か。

言ったよね、許さないって。




あ、それより。



探してるものは見つかった?」




クスクスと笑いながら
私に問いかける声が
頭に響いていた。

160→←158



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (156 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
542人がお気に入り
設定タグ:AAA , 西島隆弘   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます!応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます!5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます! (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます!色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リリィ | 作成日時:2019年1月1日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。