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渉先生と別れて
スタジオに戻るタクシーの中。


並んで座る西島さんの顔を
ちらっと見る。


タブレット片手に、
何かを考えてるその姿。


相変わらずで、
いつも通りで。


大好きだなって思う。


私の視線に気づいて、
ん?
とこちらを見る。


その仕草だけで、
たまらなくキュンとする。




「あの…。

ありがとうございました。」




西「ん?何が?」




「忙しいのに。
渉先生と会う時間作ってくれて。


なんか。

両親とか、兄弟とかがいたら、
恋人を紹介する時って
こういう感じなのかなぁ、
なんて思いました。」




私の世界は相変わらず狭い。


昔は家と学校とピアノ。
今は仕事と西島さん。


昔の私には
連絡先を交換するほど仲のいい人はいない。

今の私は少しだけ、
友達と言える人がいるけど、
みんな仕事で出会った人だから西島さんも
その人たちのことを知ってる。


西島さんの知らない、私を知ってる人って
本当に少ないから、
なんかちょっと緊張した。



「渉先生は私にとっては大切な人だから。


西島さんがどう思うか、
どう思われるか、
ドキドキしちゃった。」



兄弟ね…と言う言葉と一緒に
息を吐く西島さん。



西「長瀬さん、いい人だな。

会えてよかった。
俺もちょっと緊張したけどね。」



そんなふうには見えなかった、
と伝えると。




西「緊張もしたし、嫉妬もした。」



「なんで嫉妬なんて。」



西「長瀬さんがかっこよくて、
Aが楽しそうにしてたから。」


そう言って、
私の手を握ってきた西島さん。


「何それー。」


西「それに。


俺の知らないAを、
知ってるってだけで
なんか羨ましい。」



ぎゅっと握られる手から
感じる独占欲が、
嬉しい。



西「俺さ。
約束したんだ、長瀬さんと。

Aと幸せになるって。」



「え?」



そんな話してたなんて
知らなかった。



西「だから、俺、頑張るよ。」


長瀬さんに認められるようにね、
って言って私の左手の薬指に
そっとキスをする西島さん。


かぁーっと、顔に熱を感じる。



「…じゃあ、私も頑張る。」



顔を見合わせて、
笑い合う私達。


西「また真っ赤。

かーわい。」


そう言って、
私の頭をくしゃっと撫でる。


その日のレコーディングも、リハも、
グループの仕事は順調に終わって。
ソロの仕事も新しい企画に向けて動き出していて。



私達の進む道は
真っ直ぐに伸びてるように思っていた。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます!応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます!5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます! (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます!色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年1月1日 14時

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