157 side Nissy ページ7
長瀬さんは
真剣な顔で俺に問いかける。
渉「あの子が、
幸せになるのを見届けたいと思って
この何年かずっと見てきた。
西島くんはAちゃんを
幸せにしてあげられる?
いきなり一人にしたりしない?」
その問いかけに、
西「幸せにしてあげられるか、
はわからないけど。
一緒に幸せになりたいと思ってます。
Aが幸せなら
俺も幸せで。
俺が幸せなら、
きっとAも幸せだと
思ってくれるはずだから。
自由の聞かない職業ですが、
幸せになる努力をしたいと思ってます。
全力で。」
と答えた俺に、
渉「もし。
君が手を離すときがきたら、
彼女は俺が貰う。
もし。
君と彼女が幸せになるなら、
心から祝福する。
だから、
Aちゃんを頼む。」
長瀬さんはそう言った。
もしかして…。
西「あなたは…Aを?」
渉「最初はね、
妹のようだった。
迷子みたいな目をして、
助けてほしいのに助けてって言えない女の子を
助けてあげたい、
そういう気持ちだった。
でも、今は、少し違う。」
少し遠くを見ながら
話す長瀬さん。
渉「少しずつ笑顔が増えて、
自信をつけて、
前を向き始めた彼女を
いつからか女性として意識してた。
強くあろうとしてるのに、
ふと見せる脆さや、危うさ。
自分の手で守ってあげたくなるけど、
残念ながら、
全く彼女の中に俺を男として見る気持ちはない。」
視線の先に、
こちらに戻ってくるAの姿。
渉「だから、俺は見守る立場で居続けるよ。
さっきの言葉、信じるから。」
長瀬さんは俺に手を差し出す。
西「ありがとうございます。」
その手を握る俺。
渉「どうしようもないやつだったら、
力ずくでも奪おうと思ってたのに。
西島くんが、
とても誠実な人だと感じたから。
そんなこともできないな。」
西「長瀬さんが本気になったら、
敵わなそうな気がします。
長瀬さんは俺の知らないAを
知ってるし。
それに、男として、
なんかすごく。
かっこいい。」
そう言うと長瀬さんは、
もしもの時は容赦しないよ、
と笑った。
Aは、
とても魅力的だから。
こうして人の心を惹き付ける。
そこに自分で気づいてないから
やっかいだ。
これからも、
こうしてたくさんライバルがでてくるんだろう。
やっぱりはやく、
俺だけのものにしたいって思った。
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます!応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます!5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます! (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます!色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リリィ | 作成日時:2019年1月1日 14時