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首元に顔を埋めれば
世界で1番安心する匂い。
病院の窓から見た外の世界は真っ暗で
ぞわりとした恐怖が忍び寄って来るみたい。
その時、
西島さんのスマホがなる。
西「はい。え？
や、でも。
えっ、いるの？
うん、わかった。甘える。」
電話を切った西島さんが、
西「さくらちゃんと亮介が
迎えに来てくれてるって。
やっとさっきのメッセージに
既読ついたから電話くれたみたい。」
今度お礼しなきゃな、
なんて言いながら、荷物を受け取り
入り口近くの椅子に私を座らせる。
私は荷物の一番上に置いてあった
西島さんの帽子をぼんやり見ていた。
西「なーに。
それ、気に入っちゃった？」
受付に手続きに行ってくれていた西島さんは、
優しく微笑んで
私にその帽子を被せる。
西「Aにあげる。」
そして。
自分で歩けるって言ってるのに、
また私をおぶって歩く西島さん。
西「大丈夫？だるい？」
と問いかけながら
少しだけこっちを見た西島さん。
「あのね…。」
西「ん？」
「あの…ね。」
西「うん。」
西島さんは、
あの時、
あんな言い方してごめんと謝ってくれたのに。
髪のことも傷のことも。
気にしてくれたのに。
私はちゃんと謝れていない。
でもうまく言葉がでてこない。
言葉の代わりにでてくるのは、涙。
「あのっ…」
西「急がないでいいよ。
慌てないでいい。
ゆっくり、Aの言葉で、ね？」
今泣いても涙拭けないしさ、
なんて言うこの優しさに
いつまでも溺れていたい。
さ「あー！また泣かしてる！」
車の外で待っていてくれたさくらさん。
西「やべ。あいつさ、
最近実彩子に似てきたな。
すぐ怒る。」
笑いながらそういう西島さん。
さ「あ、今私の悪口言ったよね？
ね、A？」
西「そういうとこも。
な、A？」
どっちに同意していいかわからず、
笑って誤魔化す。
花「ほら。Aちゃん冷えるから。
早く乗って。」
見かねた亮介くんの言葉に、
ありがとな、と返事をした西島さん。
車が動き出すと
ちょうどいい揺れが
弱った体を眠りに誘う。
うとうとしていた私に、
「寝てていいよ。」
と西島さんは頭をそっと肩にのせてくれた。
左手が西島さんのぬくもりに包まれて。
膝にはさくらさんが貸してくれたブランケット。
そっとオーディオの音量をさげた亮介くん。
今すごく幸せだ。
そう感じながら眠りに落ちていった。
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます！応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます！5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！！続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます！色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年1月1日 14時
