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それまでは、
ここにいる。



そう決めたら、
なんだかすごく楽になった。



「本当に帰ってもいい?」



西「当たり前じゃん。


そもそも、
迎えに来たんだって、俺。」



西島さんも、
何かを吹っ切った顔をしていた。



私達の間に、
絆がまた一つできたけど。



今までとは違う、
見えない何かも心の中に生まれていた。


それは、
覚悟…なのか、決意…なのか。
なんとも言い表しようがないもの。




「ありがとう。迎えにきてくれて。」



私がそう言えば、



西「俺の彼女。
意外に頑固だからさ。

俺が迎えに来ないと帰ってこないやろ?」



冗談ぽく、
そんなふうに言ってくれて。



「頑固かなぁ?」



と言うと
私の頭をくしゃくしゃっと撫でる。



西「頑固だよ。」



そこでふと
真顔になった西島さん。



西「なぁ。」



「はい?」



立ちあがった西島さんを、
ベッドの上から見上げる。



西「髪、ごめんな。
ここも。


痛かったよな。」



頬の傷の上に貼られたガーゼに触れながら、
西島さんが言う。




「西島さんのせいじゃないです。」




西「だけど…。」



「大丈夫!」



そう言って私は笑ってみせる。



「それより…。

あのね…変じゃないかな?
こんな短くしたの初めてなの。」



短くなった髪に自分で
触れてみる。

頭がすごく軽くて、
なんだか心許ない。




西「すっごくかわいいよ。」



そう言った西島さんが、
私の髪を一束すくって、
キスをする。



「よかった…。」




それだけでも照れるのに、



西「まぁ、Aなら、
なんでもかわいいけどな。」



さらっとそういうことを言うから、
困る。



赤くなった顔を隠したくて、
よしっ、なんて言って
ベッドから降りようと思ったら、



「あ…靴…。


そういえば
荷物もどうしたんだっけ?」



西「さくらちゃんちかなぁ?」



取りに行く?
なんて言いながら西島さんが
スマホを見ると、



西「あ…。連絡はいってた。

荷物、受付に届けてありますって。」



とりあえず、
ほら、と背中を向ける西島さん。


「え?」



西「おんぶ!


靴ないじゃん。」



「でも…」



リハで疲れてるの、
わかってるしそんなこと…って思って
躊躇ってる私を見透かしてるのか、



西「Aを運ぶくらい平気。


そんなやわじゃない。」



はやく、と言う彼の背中に
恐る恐る身を預けた。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます!応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます!5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます! (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます!色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年1月1日 14時

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