177 side Nissy ページ27
Aの細い指が
俺の頬をたどる。
なんで泣いてるの？
俺の頬に触れながら、
問いかけるA。
西「なんでもない。」
Aに背を向けて、
慌ててなみだを拭う。
「私のせい、なんだよね。
ごめんなさい。
また心配、掛けた。」
消え入りそうな小さな声。
「私、なんでここにいるのかな？」
と問いかけるAに答える。
西「さくらちゃんちで、
熱出して倒れてたって。」
そっか、
と天井を見つめるA。
西「点滴終わったら、家帰っていいって。」
Aは俺のその言葉に、目を閉じた。
西「一緒に、家に帰ろう。」
「…帰れないよ。」
Aはそう言った。
西「どうして？
俺と同じ場所にいたくない？
俺の顔なんてもう見たくない？」
あんな言い方した俺は、
もう、Aのそばにいられない？
「そうじゃないよ。
今日ずっと考えてた。
西島さんのこと。
逢えない。
逢いたくない。
逢いたい。
でも。
逢えない。
ずっとずっとその繰り返し。
でも、だめなの。」
身体を起こして
何かを諦めたように
虚ろな目で俺を見て、
Aは言う。
「何も気にせず、
ただ、好きだって言える関係には
もう、なれない。
だって。
私のせいで、ドーム公演、
失敗するとこだった。
朱里さん、言ってたもん。
全部。
全部。
私のせいって。
私が西島さんのそばにいると、
みんなに迷惑を掛ける。
だって、衣装がなくなったのは、
私のせいだった。
たくさんの人に、迷惑掛けて。
責任のとり方なんて、
わかんないっ…。
だから。
怖い。
それに・・・。
朱里さん、またねって言ったの。
だからきっと、また何か起こる。
また迷惑をかける。
そんな私が
このまま西島さんのそばにいていいのか、
わからないの。
答えがでないのに…
一緒にはいられない。」
俯いたAの片手は
シーツをきつく握りしめていた。
その手の甲に涙が落ちていく。
もう片方の手は、
首から下げてる俺があげた
リングを掴んでる。
嗚咽を堪えて、
華奢な肩と短くなった髪が
一緒に震えていた。
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます！応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます！5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！！続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます！色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年1月1日 14時
