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確かに。


一人で来いって言われた。


自分が何を考え、何を思って
動いていたのか、
今振り返ってみても全く覚えていない。


とにかく、朱里さんから
衣装を取り戻さなくちゃ、
ただそれだけだった。




西島さんが怒っていたあの時。




そのことを言えなかった私は、


マネージャーの速水、じゃなくて、
恋人のA、に
大丈夫か?の一言が欲しかったんだ。


AAAの西島隆弘じゃなくて、
私の恋人の西島隆弘を求めてた。



情けない。
そして
そう思ってしまった自分が怖い。




「それに…。

ここにいるべきなのは、
西島さんのそばにいるべきなのは。

私じゃ…なかった…。



ホントは朱里さんが、
西島さんのマネージャーになるはずだった。


そう、朱里さんは言いました…。」



私の話を黙って聞いていてくれた
チーフ。



チ「キャリアだけなら
朱里のほうが長かったよね。


さくらより…
1年、早かったから。


それに確かに、
にっしーのマネージャーを決める時に
朱里の名前も上がってた。



だけど。



速水を選んだのは、
にっしー自身だよ。」



「え…?」



チ「その時から、
何か感じるものがあったのかもね。


迷いもせず、速水がいいって。」


その言葉に知らず知らず
俯いていた顔を上げる。


西島さんが…私を?。



チ「だからね。


ここにいるべきなのは、
速水なんだよ。
にっしーを支えられるのは
速水しかいない。



何も間違ってない。


大丈夫。」


一言一言、
小さい子に伝えるみたいに。
ゆっくり、私の目を見ながら
話すチーフ。


じんわりと目には涙が浮かんで、
こぼれないようにくちびるを噛む。



わかってる。
わかりすぎるほど、わかってる。


どれだけ仕事を大切にしてるか。
ファンのみんなを大切にしてるか。
一緒に動いてくれるスタッフさんを
大切にしてるか。



私が誰よりもわかってるのに。


こんな風に思ってしまう私は。



「でもやっぱり。

公私混同する私は
マネージャー、失格です。」



ぽろりと、
また涙が流れる。


もう、何も考えたくない。
楽になりたい、とさえ
思えてくる。

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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます!応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます!5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます!!続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます! (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます!色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2019年1月1日 14時

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