167 side Nissy ページ17
次の日。
俺を起こす電話の主は
Aじゃなかった。
何度もなるスマホの画面に表示されていたのは、
さくらちゃんの名前。
西「…はい。」
さ「西島さん？
やっとでた…
あと30分後にロビー集合ですよ！
間に合いますか？」
西「…ん、わかった。」
うまく働かない頭で考える。
なんでさくらちゃんが…？
西「A…あ、速水は？」
俺のその問いかけに、
ほんの少しの間を開けてさくらちゃんが言う。
さ「Aは…。
チーフと先に東京へ戻りました。」
西「…そっか。」
電話を切ったあと
冷たい水で顔を洗うと
少しスッキリする頭。
鏡の中の自分が、
なんだか不安げな顔をしてる。
大丈夫。
東京に戻ればAに逢える。
Aの帰るところは、
俺のところしかないんだから。
そう自分に言い聞かせて、
支度を始めた。
ロビーに行くと
さくらちゃんが待っていて、
さ「遅刻です！
もうみんな待ってますよ。
こんなに寝起き悪いのに
西島さんのこと、
間に合わせられるAはすごい…。」
その嫌味たっぷりな言い方に、
まだ昨日のこと怒ってるのが
わかりすぎるくらいだった。
東京に着いて、
そのままスタジオに向かう。
今日は夕方までソロの仕事だ。
西「お願いしまーす。」
とスタッフさんたちに挨拶をする。
ス「あ、にっしー。
速水ちゃん今日は休みなんだね。
さっきこの前言ってた資料、
メールで送られてきてたよ。」
慌ててメールを開けば、
前の打ち合わせのときに
速水に頼んであった資料が添付されていた。
いつの間に作ってた？
っていうくらい、
きれいにまとまってるその資料は
ついさっき受信したもので。
そのメールには、
【急にお休みを頂いて申し訳ありません。
前回の打ち合わせ時にご依頼いただたいたものと、
その他必要だと思われた資料も
あわせて送信致します。
また何か必要があればご連絡ください。
宜しくお願い致します。】
と書かれていた。
西「A…。」
今どこにいるの？
スマホには
Aからの着信もメッセージも無くて。
この仕事の、
速水からのメールだけが
今の俺にとってのAの存在だった。
ス「ほんと
速水ちゃんの仕事はさすが。」
みんなの言うとおり、
速水の仕事は丁寧で正確で。
昨日のことが嘘みたいな感覚に
囚われる。
西「よし始めよう！」
Aがいない現実から
俺は仕事へと頭を切り替えた。
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リリィ(プロフ) - ao.aoさん» ありがとうございます！応援しただいて嬉しいです☆続編も楽しんでいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (
レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - idmさん» ありがとうございます！5も公開しました。引き続きお楽しみいただけたら嬉しいです☆ (2019年2月26日 14時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
idm(プロフ) - 更新いつも楽しみにしてます！！続編も楽しみです(^^) (2019年2月23日 18時) (レス) id: 8b61c6c3c0 (このIDを非表示/違反報告)
ao.ao(プロフ) - 更新、楽しみに待ってます！ (2019年2月22日 22時) (レス) id: c44633c2f8 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます！色んな捉え方、ありますねー☆そこまでちゃんと読んでもらって嬉しい限りです☆ (2019年2月22日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リリィ
| 作成日時：2019年1月1日 14時
