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つけられてる…?



最近、時々感じるものと同じ
ゾクリとする視線。



グループの仕事の休憩時間。
さくらさんと買い出しに来た私。


西島さんの好きなチョコを
切らしてしまってることを思い出して、
一人で買いに戻った帰り道。



私が歩く速さと同じリズムで
聞こえるヒールの音。


気のせい?


私が止まると、足音も止まる。
早足で歩くと、同じ速さでついてくる。



やだ、怖い。



私はチョコが入った袋をぎゅっと握って
走り出した。
なのに、
足音はついてくる。



怖い、怖い。



足がガクガクして
ふらつく体を、
後ろからどんと押される感触。



「きゃっ!」


ザザッと膝と地面が
擦れて痛みが走る。



膝と手をついてる私の
目の前を通り過ぎていく車のタイヤ。
視界の端で黒いヒールを
見送る。


何…今の…。
あと、少し力が強ければ、
車道に出てたかも。



震える体で、
なんとか立ち上がろうとすると、



・「Aちゃん?」



目の前に立ち止まった人が、
私の名前を呼ぶ。



びくっとして、
恐る恐る顔をあげると。




「…わ、たる…先生?」



渉「やっぱりAちゃんだ。



大丈夫?」


手を差し出してくれる
知ってる顔を見て安心したのか、
また力が抜けて座り込んでしまった私。



渉「えっ、ちょっと、大丈夫?」



「っ…はい。」



そう答えたけれど、
だんだん白く霞む頭の中。


この感覚、まずい。
落ち着かなきゃ。
そう思っても、
一度なったら、止められない。



ひゅっ、ひゅっと、嫌な呼吸音がなり始めて、
私は胸元の指輪を握りしめる。



「…っはぁ、はぁっ…た、か…。


た…か…。」



助けて…。
たか…。



渉「過呼吸だよな…。」




先生は私が持っていた西島さんのチョコが
入った紙袋をクシャッと丸めると、
私の口に当てた。



ゆっくり
ゆっくり息して。


大丈夫。



どのくらいそうしてたのか、
意識がだんだん戻ってくる感覚。



「…も、
大丈夫…です。
すみません…。




仕事、戻らなきゃ…私。」


立ち上がった私の
ふらつく体を先生が支えてくれる。


「真っ青だ。ちょっと休んだほうがいい。」


腰を抱かれるようにして、
すぐ近く似合った木陰に座らされた。

130→←128 side Nissy



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作品ジャンル:恋愛
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リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます!できるだけはやく、4をスタートできるようにがんばります! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kikiwingwingさん» いつもありがとうございます!色々Nissy事が嬉しくて忙しいですね☆続きもぜひよろしくお願いします! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます!年内には4をスタートしたいと思ってます。よろしくお願いします☆ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - えーーー二人で歩む道けーへんの〜〜とめっちゃ気になります。次シリーズ楽しみにしてますね (2018年12月19日 1時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
kikiwingwing(プロフ) - プロポーズって!!最高です!コメント久しぶりですが、毎日リリィさんの更新も楽しみに待ってますよ!!大好きです! (2018年12月19日 0時) (レス) id: 3cf9c9f18d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リリィ | 作成日時:2018年10月14日 21時

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