37話(出逢い編) ページ41
ほぼ無言のまま時は過ぎ車が停まった
「…ここ、であってます?」
『間違いないですよ』
「大きいですね…」
まぁそうだよね
『両親の仕事上あまり家族で贅沢しないんですよ
だから貯まってから建てたって両親から聞きました』
「そうなんですか、後は中に入るだけなので危険はないと思いますがなるべく早く寝てくださいね、明日学校でしょうし」
『ご心配ありがとうございます』
「それじゃ、僕はこれで…」
『待ってください』
「はい?」
『少しだけ待っててください』
そう言って家に入る
送ってもらったのにお礼しないとか私が私を許せない
冷蔵庫から作りおきしていた物をタッパーに入れて袋に入れる
それを持って外に出るとちゃんと待っててくれた
『お待たせしてすみません
これ、お礼です』
「これは?」
『セロリの漬物です
私が作った物なんですが…セロリお嫌いですか?』
「いえ、好きです」
『送ってもらったお礼がコレで申し訳ないんですけど貰ってもらえませんか?』
安室さんさ少し考える素振りを見せ
「では、いただきます
タッパー等はお返ししたいのですが…」
『それはいつでも大丈夫です
今日はありがとうございました、安室さんも気をつけて帰ってくださいね』
「ありがとうございます
では、おやすみなさい」
『……おやすみなさい』
車が見えなくなるのを確認して家の中に戻る
久しぶりだなぁ、誰かにおやすみなさいって言われるの
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作者名:黒羽 | 作成日時:2019年5月11日 4時