ストーリー150 ページ50
月明かりだけが差すほどの暗い部屋なので、火神くんの表情はよく見えませんが、なにか、空気が少し変わったのを肌で感じます。
あ「どういう、意味ですか?」
火「……Aが今日、俺と誰かと重ねてるような感じは、なんとなく察してたんだ…。けど、それがまさか……」
あ「火神くん?いったいなんのこと…」
火「青峰のヤローと、俺を重ねてたんだろ…?」
……もしかして、大輝と電話してた時に廊下から聞こえた音って、気のせいじゃなく…
火「青峰にだったら、Aは一晩中看病すんのか?今日は、青峰じゃねぇ。俺だから…。だから、帰るのか?」
あ「火神くん、すこし落ち着い…」
〜♪
タイミングがいいのか悪いのか、おそらく到着したであろう大輝からの着信音。
あ「あ、ごめんなさい、火神くん。ちょっとだけ出ますね。」
火「……。」
ピッ
青「着いたぞ。はやく来い。」
あ「ありがとうございます大輝。行くので、少し待って…」
待ってて欲しい。
そう言おうとしたとき、ベッドから身を乗り出した火神くんが、正面からスマホを持っている私の手を掴んで…
あ「え…?かがみく…」
プッ、ツーツー…
そのまま通話を切ってしまいました。
ベッドに座ったままの火神くんは、掴んだわたしの手を離そうとする気配は全くありません。
あ「あの、えと……、火神くん?そろそろ手、離してほしいなー、なんて…」
火「いやだ。」
そう言った火神くんは、わたしの腕を引っ張り、そのまま自分の腕の中へ私を閉じ込めてしまいました。
火「…俺といるのに、他の男のことなんか、考えるなよ…。」
あ「え…と、かがみく……ひゃっ、」
混乱しているわたしにそう言って、少しだけ私から体を離した火神くんは、おでこ、まぶた、頬と少しずつ下へ降りながら唇を這わせていきます。
あ「かがみくん…っ、はなして…、くださっ…」
火「……。」
私の声が聞こえていないのか、火神くんの唇はとうとう首のほうまで降りてきて…
ちゅ…、
あ「…やっ、……火神くん…!」
離れようにも、火神くんの腕はわたしの肩、腰の後ろにしっかりと回されていて、身動きが取れません。
火「……あいつのこと、考える余裕なんて、なくさせてやる。」
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作者名:14がすき | 作成日時:2018年2月13日 11時