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ストーリー144 ページ44

梅雨が明けて、じめじめとした空気からカラッとした夏の空気に変わるのを感じます。

あ「おはようございます。」
黒「おはようございます、Aさん。」
火「はよー。課題見せて。」
あ「できるとこまで自分でやってください。」

梅雨が明けても、いつものやり取り。
いつも断ってんだから、そろそろ学習してくださいよ。

そしていつも通りアホな火神くんの課題につきあっているのですが…

あ「……?火神くん、なんか声変じゃないですか?」
火「え?そうか?」

なんだか、少し鼻にかかっているような声。

…ま、気のせいですかね。本人も自覚ないようですし。


……と、思っていたのですが、

今日はなぜかやたらとフラフラしていて、なんだか危なっかしい様子。


………もしかして…


あ「火神くん、風邪ひきましたね?」
火「は?かぜ?おれが?」

朝よりも更にこもったような声。
これは確定ですね。

あ「はい。今日はもう帰った方がいいんじゃないですか?」
火「なんでだよ。おれ元気だぜ?」

しかし、火神くんはそれを認めようとしません。

…でも、強がっているようには見えないですし、安静にしてればすぐ治るんでしょうか。

まあ、ちょっと風邪ひいたくらいならわざわざ帰ることもないとも言えますが…。

あ「…んー、まぁ、火神くんが大丈夫って言うんなら…。
でも、無理はしないようにしてくださいね。」
火「心配しすぎ。大丈夫だって。」



しかし、その矢先に…

あ「ちょっと!悪化してるじゃないですか!」

体育から戻ってきた火神くんと廊下で遭遇したところ、さっきよりも明らかに顔色が悪くなっているのが分かります。

火「…ああ?気のせいだろ…」
あ「そんなフラフラで何を…」
火「これはあれだ。ちょっと体育を頑張りすぎただけだ。」
あ「なんで体調悪いのに頑張ってんですか!いいから保健室に…」

そう言いながら火神くんの腕を掴んで保健室に連れて行こうとしたら…

フラッ

あ「えっ、ちょっ…!!」

火神くんの体がわたしの方に傾いて…


ばったーん!


支えようかと咄嗟に手を出しましたが、火神くんほどの巨体をわたしが支えられるわけもなく、わたしに覆いかぶさるように火神くんは倒れてしまいました。

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作者名:14がすき | 作成日時:2018年2月13日 11時

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