幼馴染とわたし２【笠松幸男】

ストーリー７３ ページ23

黄「んーー？教えてほしい？」

あ「ぜひっ。」

黄「……やっぱ秘密。」

あ「ええっ！？」


焦らした挙句、結局教えてくれないと言う黄瀬くん。

意地悪だ…。


黄「Aっち、多分困っちゃうからなぁ。

……そっとしておいてほしいんすよね？」


にこ と優しく笑いかけながら黄瀬くんはそう言った。




……？


……あ。

私が、この前そういったから……


あ「…あ、はい。ありがとう、ございます…」

黄「なんで敬語なんすか？」


横目に私を見ながら、ぷっ と黄瀬くんは笑いました。

ドラキュラの姿をしているからか、なんだか、色気というか、フェロモンというか、ダダ漏れてて…

そんな顔で見られたら、恥ずかしい…。


あ「な、なんとなくっ！その、黄瀬くん、気遣ってくれてたんだなぁ、って…」

ばばっ と黄瀬くんから顔をそらし、あたふたと答える。


黄「Aっちに言われちゃあ、そりゃやるっすよねぇ。おれはいつでもAっちの味方だし。」

そんな私に、黄瀬くんは、ぽんぽんっ と頭を撫でて優しく声をかけてくれる。

あ「……あ、ありがとう。」


黄瀬くん、優しいなぁ…。



黄「……だから、今日は嫌なことは忘れて楽しむっすよ！」

そんな事を思っていると、いつの間にやら私の腕は黄瀬くんに掴まれていて、黄瀬くんに引っ張られ走り出していた。


あ「わぁっ！」


ギュンッ と加速した黄瀬くんに当然のことながら私の足はもつれる。


黄「せっかくのお祭りなんすから、そんな辛気臭い顔してないで思いっきり遊ぼ！」


わわっ！ と転びそうになった私を支え、体勢を直してくれた黄瀬くんが満面の笑みでそういった。




……辛気臭い顔…。


やっぱ、バレちゃうよね、こんな顔…。



こんな私を見て、黄瀬くんは元気付けようとしてくれてるのかな…。



自惚れだったら恥ずかしいけど、

やっぱり、優しいな、黄瀬くん…。

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