文豪達の姉ですが何か？？【短編集】

姉が脳死になったら(momiji様) ページ13

中島敦
「僕は姉さん1人すら守れない男なんだ」与謝野先生は持って数日と言っていた。こんな出来損ないの弟で、救えない弟でごめんなさい



太宰治
「姉さんも私を置いていくのか……姉さんだけはずっと傍にいてくれると思っていた」何かの冗談であって欲しい。仕事もやる、国木田君にも迷惑を掛けない。だから、お願いだから、起きてくれないか



江戸川乱歩
「名探偵である僕が間違えるものか。だから姉上は目を覚まして僕の名前を呼んでくれる」持って数日なんて嘘だよ。姉上がいなくなったら誰が僕の面倒を見て、誰が僕を褒めてくれるんだよ……



泉鏡花
「やっと見つけた光の場所で、お姉ちゃんと一緒にいられると思っていた……」また、クレープ食べに行こうねって指切りしたのに！私の家族はお姉ちゃんしかいないの！！お願い！起きて！！私を1人にしないで…！



谷崎潤一郎
「僕のせいなんだ。僕がもっとしっかりしてれば…！」このままお別れなんて嫌だ……目を覚まさないなんて信じたくない！でも、日に日に弱っていく姉さんを見ればこれが現実だと思い知らされる



宮沢賢治
「今日は商店街のお姉さん方からアングレカムの花を貰いました」こうやって何気ない日常を話せば何時かは目覚めてくれれると思ってるけど、気配は一向にない。これからも一緒にいられるよね？



国木田独歩
「俺の手帳には姉さんは天寿をまっとうするその時まで笑顔でいてくれると書いてある」俺は何時になったら大事な人を守れるほど強くなるんだ！！一体何時なんだ！どうして俺はあの時から何も変わってないんだ！



与謝野晶子
「助けてやれずに済まないね」どれだけ救おうと努力してもこうやってあたしの手から零れ落ちていく。全員を救えるとは限らないと分かっていても、自分の大切な人ぐらいは救いたかった



芥川龍之介
「姉上も僕を1人にするのか……」僕の何がいけなかったんだ！もう姉上を心配させることも、悲しませる事もしないと誓おう。頼む、目を覚ましてくれ…！



中原中也
「このまま死に向かってるなんて出来の悪い冗談だよな」姉さんには指一本触れさせないと決めていたのにこのザマだ。笑ってくれ。俺は俺自身が大切なものすら守れない男なんだな



尾崎紅葉
「後どれくらい、姉様はわっちと共に生きてくれる？」最後の時までわっちは姉様の傍にいると誓おう。それがあの時判断ミスをしてしまったわっちに出来る最後の償いなのじゃから

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