＃Y ページ11
ずっと親友って、なんなんだろうね。
高校の時に出会った親友、と呼べる人に久々に会うなり拒絶され、当時の裏に抱えていた気持ちを伝えられた。
当の私はそんなこと1ミリも考えたことがなく、寧ろ信頼していたのに。
裏切られた悲しみと、怒りと虚しさでぐちゃぐちゃになった。
とぼとぼと暗くなった道を歩く。
家に帰れば大好きな彼。
仕事で疲れているはずなのに、こんな私で迷惑かけられない。
ガチャリとドアを開け、ただいまも言わずにそのまま速攻で自分の部屋に入る。
彼は仕事をしているようで、静かだった。
部屋に入り、着ていた服を脱いで部屋着に着替える。
そしてベッドに倒れ込む。
さっきまで溜めていたものがプツンときれたように溢れ出す。
『……ｯ……………ぅぅ………ﾋｯｸ………』
仕事中の彼を邪魔しないように、声をころす。
泣きすぎて頭が痛くなってきた頃、ドアが開く音がした。
Y｢A〜〜？あれ、寝てる？疲れてんのかな｣
『………ﾋｯｸ……』
Y｢ん？どした？大丈夫？なんかあったん？｣
抑えられなくなった一声で気づくなんて。
そんなに優しくされたら、もっと溢れてきちゃうよ。
『………ｯ！！……ぅぅｯ……』
Y｢辛かったねぇ、大丈夫だよ、ゆまさんが居るからね｣
暖かくて大きな手が、私の背中を撫でる。
ひとしきり泣いたあと、顔を上げるといつもの彼。
Y｢すんごい泣いたねｗどうしたのぉ〜ゆまさんに話してみ？ｗ｣
私の涙を拭い、頭を撫でてくれる。
そんな彼の胸に飛び込んで、言葉が途切れ途切れになりつつ事情を説明する。
彼は｢うん、頑張ったね、偉かったね｣と声をかけてくれる。
Y｢Aは悪くないで。辛いけど、ゆまさんと乗り越えよ？｣
『ゆまさ………ｯ』
Y｢うん。今日は沢山ゆまさんの胸で泣きなさいっ｣
片方の手は一定の早さで背中を叩いてくれ、もう片方の手は私の頭を撫でる。
それに泣いて体力が消耗した私の耳に心地のいい声が入れば、彼の胸の中で眠りにつかない訳にはいかなかった。
目を覚ませば彼のベッドの中。
隣に彼もいる。
規則正しい呼吸をする彼が愛おしくて、その唇にキスをする。
そうすれば彼の瞼がゆっくりと開く。
『起きてたの』
Y｢ん……？今起きた……おはようのちゅーなのぉ……？へへ、かぁいいねぇ……♡｣
ぽわぽわしてる彼の頭を撫でれば、腕を腰にまわして私の胸に顔を埋める。
『くすぐったいよ』
Y｢やぱ、ここきもちぃ………ｗ♡｣
『へんたい…』
変態だけど、優しいところに惚れたんだ。
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szkwluna1022(プロフ) - とっっても素敵な短編集ありがとうございます！大好きです！！リクエスト随時受付中とのことでしたが、もしよければいろんなメンバーの嫉妬や独占欲の話が読みたいです(*'ω'ﾉﾉﾞ (2023年4月4日 7時) (
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作者名：コイキング | 作成日時：2023年3月6日 17時
