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ゆらゆらと揺れる体にうっすら瞳を開く、そこには兄の顔が見えた。
「(兄さん…ああ、そういえばソファで寝てしまったのですね)」
「あ、ごめんね、A」
起こしちゃったね、そう言いベッドへ優しく降ろすユーリ。どうやらシャワーから出た後、寝ていたAをベッドまで運んでくれたようだ。
「兄さん…手、繋いでてくれる?」
「!ああ、いいよ」
暖かい手で包まれたぬくもりに、Aの意識はまた夢の中へ吸い込まれて行った。
「(懐かしいな…)」
姉の仕事が遅い日は、Aと二人で過ごしていた。天気が悪く雷がなっていた日には、姉が帰ってくるまで二人で布団に入り震えていたが、お互いのぬくもりに安心していつの間にか眠りについていた。
「(ダメな兄貴だな、ボクは)」
でも、この国を守ることで大切な人たちを守れるなら…。そう自分に言い聞かせ、眠ったAの手をそっと解き、ユーリはAの家を後にした───。
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作者名:神永 夕陽 | 作者ホームページ:http://id27.fm-p.jp/470/mushroom037/
作成日時:2022年6月1日 12時