もう一度 ページ40
,
「……A、ごめんね」
,
何故祖母が謝るのか、私には検討もつかなかった。
「……なんで、おばぁちゃんが謝るの?」
「……私がもっと早く、聞いてあげれば良かった。
こんなに1人で抱え込んで……悪かったね、A」
,
「そんなに……優かったら、また、泣いちゃうよ……」
甘えたくなるじゃないか……
「でもね……A」
……なに?
「Aは、周りの人のこと……ちゃんと考えているじゃない。
傷付けてしまったのが分かるってことは、周りの人を大切に思ってるってことだろう?」
……図星、なのだろうか。
「きっと、相手も、Aのこと、大切に思っているよ」
本当に……おばぁちゃんには適わない。
,
「ありがとう 」
,
せっかくの彼氏なんだから、大切にしなさいよ。
だなんて……本当に適いっこない。
「……待って、彼氏じゃないよ」
「あらあら、でも好きなんでしょ?」
「さーぁ?どうだろう?」
「この子ったらまたこれだわ」
,
……これってなんなんだろう。
でも、凄く心が落ち着いた。
「……うん。
でも、すっきりした。ありがとう」
おじさんが死んでしまったことは悲しいことには変わりない。
それでも、私は前を向かなきゃいけない。
悲しくて……
泣いたとしても……
いつの日かはまた絶対に。
ゼロさんにも謝って……もう1回。
最初から。
,
186人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:クグロフ | 作成日時:2018年6月12日 14時