初恋うさぎ2 [坂田銀時]

48すれ違いと絆 ページ8

しんみりとした空気の中、私の心は徐々に温かくなっていった。

隠していたことも、抑えていたことも、全て吐き出せたのだ。


少なくとも、理解者は、ここに二人いる。


そう考える度に、私の心は、表現出来ないほどの安心感で、固まったナニカが溶けていった。


　銀｢あの、さ、A･････。｣


おそるおそる聞いてきたギンに、私は首を傾げた。


　銀｢･････いや、やっぱいいわ。｣


しかし、かぶりを振るようにもみ消したギンは、顔を伏せてしまった。


　兄｢Aは、これでもういいのか？｣


すると、兄様は私の目を覗き込みながら、聞いてきた。


　『これで、とは････？』

　兄｢私達が分かりあったとしても、他の輩は隠し通そうとしているぞ。｣


国は慌てふためいている。と深刻な顔をした兄様は、そっとギンを見た。


　兄｢主は、地球で何をやっておられたのか？｣

　銀｢･･････何ですかね。｣


またもやかぶりを振るように答えたギンは、迷っているようにも、戸惑っているようにも見てた。



　兄｢とにかく、今この国は慌てている。どうにかすれ違いを止めさせねば。｣


一人コクリと頷いた兄様は、席をたった。


　兄｢少し、皆のものに話をつけてこよう。｣


ではまた、と去っていった兄様は、力強い足取りだった。

とにもかくにも、二人は私の過去も、気持ちも分かってくれ、まだ隠し通そうとすれ違ってしまっている国を止めようとしてくれているのか。


でも、なんか違う。


別に、そんなことしてほしくて言った訳ではない気がするし、もっと他に果たせていない、伝えきれていないナニカがある気がした。


何だろう。


何かが、もやもやする。


ずっと、伝えたかった、この気持ち。


なぜだか今、溢れでそうな＿＿＿＿＿＿

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