UP10TION組は私の共犯【短編集】 (ページ5)

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プロ【ウソク】ページ5

「ハル、また寝癖つけたままレッスン行くの？」

ウソクとAがまだ同室だった頃の話。

Aは朝が弱く、起きたとしてもベッドから出ずに壁に背を預けて座った状態でぼーっとしているか、二度寝している。

今日はぼーっとしている日だ。

「…髪セットするなら寝てたい……。」

そんなAはベッドから降りて歯を磨きはじめた。

洗面台の前で目を閉じながら歯を磨いていると、
不意に髪の毛をいじられる感触がした。

Aが目を開けると、
ワックスを手につけたウソクがAの髪の毛をセットしていた。

「ほらー、たまにはこういうのもいいんじゃない？」

「…うーん、僕はレッスンの時はボサボサでもいいけど…。」

「そんなこと言ってたらソクフン先生に怒られるよ。」

「…それは嫌です。」

ソクフン先生を苦手に思っているA。
その理由は笑顔をつくるのがまだ下手くそだった時、黒い笑顔を向けられたことがあったからだ。

ウソクのセットした髪の毛でレッスンに行ったAは多くの練習生から絶賛された。

トレーニングセンター内でソクフン先生とすれ違ったとき、

「あっ、ハル今日は髪セットしてきたのか。
寝癖だらけでもおかしくないけど、こっちの方が全然いいぞ。」

といわれたので
少し嬉しかったり。